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2010年7月21日水曜日

1 一般基礎 

第Ⅰ章 一般基礎                                  

1.環境と気象 ( 区分コード=11 一般基礎  出題数3問:必須)

●気象と環境の分野では、室内環境に関する項目が、ほぼ毎年のように出題されています。

1-0.地球 環 境

(1) 京都議定書による削減の対象となる温室効果ガスは、二酸化炭素、メタン、代替フロン等の6種類である。(H21)

(2) 京都議定書では、日本が他国に協力して実施した事業における温室効果ガスの削減量は、日本の削減実績に繰り入れることができる。(H21)


(3) 日本の2005 年度の温室効果ガス総排出量は、1990 年度比で8.1%上昇している。 (H21)


(4) アンモニアは、地球温暖化係数が小さく、 オゾン破壊係数もの自然冷媒である。 (H21)


1-1.環境工学


●気象では、直達日射、天空ふく射、日射量、大気透過率などの用語の定義を理解しておきましょう。


(1) 太陽定数とは、大気圏外で日光に対して直角な面が単位面積、単位時間当たりに受ける熱量をいう。


    太陽定数≒ 1.382 w/m3 {1.189 Kcal/m2・h}


(2) 日射の熱エネルギーは、紫外線部よりも赤外線部及び可視線部が大きい


    紫外線部:1~2%、 赤外線部:53~59%、 可視光線部:40~45%


(3) 日射の大気透過率(一般に 0.6~0.8)は、夏期より冬期の方が大きい


(4) 直達日射(大気を通過して直接地表に到達する日射)と天空放射(天空全体からの放射として

地表に達する熱)は、昼間に存在し、地表の温度を上昇させる。

(5) 不快指数はむし暑さによる不快の程度を表したもので、乾球温度と相対湿度の組合せで表さ

  DI = 0.81T + 0.01U(0.99T - 4.3)+ 46.3 {T= 気温(℃)、 U= 相対湿度(%)

(6) 不快指数(DI)が75~80程度では、一般に「やや暑い」と感じる。

  80以上:汗の出る暑さ 85以上:暑くてたまらない。



$1冬期における結露

(1) 室内空気の絶対湿度が同じ場合、空気温度が低いほど相対湿度が高くなり、結露が生じや

すい 。(H21)

(2) 外壁に面した室の隅の部分は、他の 部分より伝熱量が増すため、表面結露が生じやすい。

(3) 外壁の室内側に断熱材を設ける場合、防湿層は断熱材の屋外側より室内側に設けた方が、

内部結露が生じにくい。

(H21)

(4) 外壁の室内側に設ける断熱材は、グラスウールよりポリスチレンフォームの方が、内部結露が

生じにくい。

(H21)

1-2.室内 環 境/ 代 謝

●環境では、代謝、温熱環境評価指数(PMV、PPD、ET、CET、OT、D Iなど)、col、metなどの定義が出題されています 。

(1) メット(met)は、人の代謝量を表す単位で、1metは椅子座安静時における代謝量をいう。

  {1met=50kcal/m3・h}

(2) クロ(clo)は、衣服の熱絶縁性を表す単位で、一定の条件の下で1metの代謝と平衡する着衣

状態を1cloという。

    {夏:0.6clo、冬:1.0clo  1clo=0.155 m2・K/W = 0.18 m2・h・℃/Kcal }

(3) エネルギー代謝率(RMR)とは、作業時と 安静時との代謝量の差を基礎代謝量で割った値を

(4) 有効温度は、ヤグローが実験的に求めた温度で、乾球温度、湿球温度及び風速を考慮した

温度である。

(5) 有効温度(ET)とは、乾球温度、湿球温度、風速を総合的に考慮した人体に及ぼす温度をい

同じ体感得る無風、湿度100%の時の気温で表される。      
  ⇒(関連:ヤグローの線

      新有効温度(NET):湿度50%の時の気温

(6) 修正有効温度(CET)は、乾球温度、湿球温度、気流(風速)に放射の影響を加味し、より実

感に近い温度である。

(7) ×修正有効温度は、有効温度に代謝量及び着衣量による影響を付言した温度である。

       ⇒⇒ 修正有効温度は、有効温度にふく射の影響を考慮した温度である。

(8) 作用温度(OT)は、乾球温度、気流、壁面からの放射を総合的に考慮した温度で、実用的に

は周壁面の平 均温度と室内気温の平均で表される。


(9) 作用温度(OT)は、乾球温度、気流、周壁からのふく射を総合的に考慮した温度で、実用的

には周壁面の平均温度と室内気温の平均で表される。

(10) 予想平均申告(PMV)は、人間の冷温感を7段階で示したものである。

      { -3:寒い、-2:涼しい ・・・ +2:暖かい、+3:暑い}  (⇔ 予想不満足度 PPD )

(11) ×PMVは、人の温度感を示す指標で、0に近くなるにしたがって熱的に不快に感じる人の割

合が増加する。

       --- PMVは、予測平均申告といわれ、人の温冷感を示す指標で、熱的中立から外

れた場合の人の温冷感を数値で示したものである。 PMVの値が0に近くなるにしたがって、熱

的に快適に感じる人の割合が増加する。

(12) PPDは、予測不満足率といわれ、熱的に不満足と感じる人の割合をいう。




$室内汚染物質

(1) 二酸化炭素は、室内環境の汚染の程度を示す指標として用いられ、室内環境基準の許容値

は1,000PPM(0.1%)である。

(2) ×二酸化炭素は、室内環境の汚染の程度を示す指標として用いられ、室内環境基準の許容

濃度は10PPmである。 ---- 二酸化炭素は、室内環境の汚染の程度を示す指標として用いら

れ、室内環境基準の許容濃度は1、000PPmである。

(3) 二酸化炭素の濃度が18%以上になると致命的である。

(4~5%:呼吸時間が長いと危険、8%:10分で呼吸困難)

{ 一般の乾き空気中≒0.03%、 室内許容値<0.1%、 多数継続在室時<0.07%、 換気計算の許容濃度<

%}

(4) 空気中の二酸化炭素濃度が18%程度以上になると、人体に致命的となる。 (H21)

(5) 空気中の一酸化炭素の濃度が1%になれば、1~3分間で死亡する。 (H21)

(6) 臭気は、臭気強度や臭気指数で表され、空気汚染を知る指標とされている。 (H21)

(7) ホルムアルデヒドやトルエン、キシレン等の揮発性有機化合物(VOC)は、シックハウス症候群

の原因物質である。

(H21)




1-3.大気の汚染

●地球環境では、フロン、オゾン層の破壊、地球の温暖化、酸性雨などは非常に重要な内容で す

(1) 酸性雨とは、硫黄酸化物や窒素酸化物などから生成した、硫酸や硝酸が溶解した雨や霧など

をいい、酸性雨による樹木の枯死や、構造物の腐食・劣化への影響が問題となっている。

(2) 地球温暖化とは、大気中のCO2、CH4、N2Oな どのガスの濃度が高くなり、大気の温度が上

昇することおいい、干ばつや洪水などの異常気象や、災害を引き起こす恐れがある。

(3) 京都議定書で定められた温室効果ガスは、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、HFC、PFC、

SF6の6種類でこのうち排出量の90%を占めるのが、二酸化炭素である。

(4) オゾン層の破壊は、フロンやハロン (主に冷媒として利用)などが上空で分解されて発生する

塩素が原因     で起こり、皮膚がんの 発生や植物の生育などに悪影響を与える

{ 代替 CFC-11、CFC-12、 HCFC22 ⇒ HFC134a オゾン層破壊係数は下がるが、温暖化係数は低

(5) 光化学オキシダント

1-4.水の汚染

(1) BOD(生物化学的酸素要求量)とは、水中の腐敗性有機物の量を示す指標(有機物により消

費される酸素量)。

(2) COD(化学的酸素要求量)とは汚濁水中の有機物や無機性亜酸化物の量を示す指標。

(汚濁水が過マンガン酸カリウム等の酸化剤で科学的に酸化される時に消費される酸素量)-- 高いほど

(3) SS(浮遊物質)は、汚水中に溶解せずに、懸濁している物質をいい、水の汚濁度を判断する

指標に用いられる。

(4) 窒素及びりんは河川・湖沼・内湾の富栄養化の原因物質である。






2.流体及び熱(G-2)

2-1.流体工学(区分コード=21 流体工学 出題数3問:必須)

●流体の分野では、流体全般と流体の運動が、ほぼ毎年のように出題されています。

$1.流体の性質

●流体全般では、完全流体、定常流、毛管現象、表面張力、粘性係数、境界層の定義を理解しておきましょ
(1)密閉した容器内の流体の一部に加えられた圧力は、流体の全ての部分に等しい大きさで伝
達される。・・・パスカルの原理
(2)一定温度の水に溶解する空気の量は空気圧に比例する。
(3)毛管現象による細管中の液面の高さは表面張力に比例する。
(4)ニュートン流体における摩擦応力(τ)は、速度勾配に比例する。
τ = μ(dv/dy)  (μ:粘性係数  (dv/dy):速度勾配)
(5)動粘性係数は、粘性係数をその流体の密度で除したものである。
(6)動粘性係数(ν)は、粘性係数に比例し、流体の密度に反比例する。
ν = μ/ρ     (μ:粘性係数  ρ:流体の密度)
(7)水の粘性係数は、温度が高くなると減少するが、空気の粘性係数は、逆に温度が高くなると増
加する。
(8)粘性による摩擦応力の影響は、一般に、境界層の近くで顕著に現れる。 {H21}
(9)密閉された容器内に静止している流体の一部に加えられた圧力は、すべての方向に等しく作
用する。{H21}
(10)硬質塩化ビニル管よりも鋼管の方が、ウォータハンマが発生しやすい。 {H21}
$2.流体の運動

●流体の運動では、レイノルズ数、層流と乱流、ベルヌーイの定理、圧力損失(ダルシー・ワイスバッハの
式)、管摩擦係数、ムーディ線図、トリチェーリの定理、ピトー管、ウォーターハンマーなどがよく出題されてい
ます。また、計算問題もよく出題されますので、流体に問する基礎的な計算式は十分に理解しておくことが
必要です。
(1)流れの状態には、層流と乱流があり、レイノルズ数が小さいと層流、大きいと乱流となる。
(2)レイノルズ数(Re)は、流体に作用する慣性力と粘性力の比で表され、流速と管直径に比例し
動粘性係数に反比例する。
Re =υd/ν    (υ:速度  d:管径  ν:動粘性係数)
{ 層流:Re≦ 2,320(3,000)   乱流:Re> 4,000(3,000) }
(3)定常流とは、流れの状態が場所によって定まり、時間には無関係な流れをいう。
(4)ベルヌーイの定理は、流体の持っている全エネルギーが、流線に沿って一定であることを示し
ている。
1/2 ρυ12 + ρgh1 +P1 = 1/2 ρυ22 + ρgh2 +P2 = 一定(エネルギー一定の法則)
(運動エネルギー) (位置エネルギー) (圧力エネルギー)
(ρ:流体の密度  υ:速度  g:重力の加速度  h:位置(高さ)  P:圧力)

(5)ベルヌーイの定理は、流体の圧縮性と粘性は考慮いていない。
(6)トリチェリの定理:水槽下端の小孔から流出する流体の流速は、水位高さの1/2 乗に比例す
υ = √(2gH)
(7)
ピトー管は、管路の中においた2重管の先端に設けた小孔での全圧と、管側壁に設けた小孔
の静圧との差、すなわち動圧を求め、流量(流速)を算出するものである。 ピトー管はベル
ヌーイの定理を応用したものである。
$3.圧力損失

(1)流体が直管路を流れると、粘性のために管壁との間で流体摩擦が働き、抵抗となって圧力損
失(摩擦損失)が生じる。
(2)圧力損失はダルシー・ワイスバッハの式(下記)により求められる。
⊿h = λ・(L/d)・(ρυ2/2g)  [m]  (= ⊿p/γ)
⊿p = λ・(L/d)・(ρυ2/2)   [Pa]   {λ:管摩擦係数 d:管径}
○ 管路での圧力損失は、流速の2乗に比例し、管径に反比例する、
○ 管路での圧力損失は、動圧に比例する
(3)ムーディ線図は、管摩擦係数を求めるのに使用される。( λ = f((ε/d)、Re) {ε:管表面
(4)層流状態では、レイノルズ数が大きくなると管摩擦係数は小さくなる。 λ = 64/Re(層流の
○ 層流状態では、管表面粗さ(ε)は、ほとんど関係しない。
○ 乱流状態でRe数が大きい場合は、(ε/d)が大きく関係する。

$4.流量の測定

(1)ベンチュリー計は、大口径部と小口径部の静圧差を測定して流量を測定する。
(2)オリフィス流量計は、管路にオリフィスを設け、その前後の静圧差から流量を測定する。
(3)せきは、水面からせき縁までの深さを測定し流量を算出する。
$5.水撃作用(ウォーターハンマー)

(1)管路で流れを急に止めた場合に生じる圧力上昇の値は、ジューコフスキーの式(下記)より求
められる。
hmax = ρaυ  { ρ:流体の密度  a:圧力波の伝播速度  υ:流体の閉鎖前の速

○ 水撃圧力は圧力波の伝播速度(a)に比例する。
○ 水撃圧力は、急閉鎖前の流体の速度(υ)に比例する、
(2)圧力波の伝播速度は、管の内径に関係する。(管径が大きい程、伝播速度は小さくなる)
a = a0/√{(1+a02ρD)/E・S}   {a:伝播速度 D:管内径 E:ヤング率 S:管肉
(3)水撃作用を防止のため、管径に応じた流速に留意する
{ 50mm以下の管:1.2 m/sec以下 65~120mmの管:1.5 m/sec  150mm以上の管:3.0 m/sec }
(4)水撃圧力(圧力波の伝播速度)は、配管材料の縦弾性係数(ヤング率)が大きい程大きくな
2-2、熱工学(区分コード=22 熱工学 出題数3問:必須)

●熱の分野では、伝熱に関する項目が、ほぼ毎年のように出題されています。 項目のなかで「……全般」
と表示してあるものは、その出題分野の各項目を設問のなかに取り込んだ問題で、最近、特に多く出題され
る形式です。熱や流体に問する問題は、このような形式が多いようです。
$1.熱

●熱全般では、線膨張係数、比熱比、熱力学の第一法則、熱力学の第二法則、断熱膨張、断熱圧縮、カ
ルノーサイクルなどをよく理解しておきましょう。
(1)気体の体積と圧力を同時に変化させると、温度T、圧力P、体積Vの間には次の式が成立す
る。(ボイル・ゲイルサックの法則)
P・V/T = 一定    ( T[K]、P[Pa]、V[m3] 、T[K]=273.15 + t[℃] )
P・V=mRT      ( R:ガス定数、 m:

(2)上記で温度を一定に保ち変化させた場合は、下記に示すボイルの法則が成立する。
P・V = 一定
(3)ボイル・ゲイルサックの法則にしたがって変化する気体を、『理想気体』という。
(4)各々Vの体積をもち、圧力がP1、P2・・・Pnである気体を、温度一定のまま混合し体積Vの混
合気体とすると、混合気体の圧力Pは次式(各気体の圧力の総和)となり、これをダルトンの法
則(分圧の法則)という。
P=P1 + P2 + ・・・・ +Pn

(5)定圧比熱(Cp)と定容比熱(Cv)の値は、同一種類の液体ではほぼ同じである。(気体では差
が大きい)
(6)比熱比(Cp/Cv)とは、定圧比熱と定容比熱の比をいい、気体では常に1より大きい
Cp/Cv=κ (比熱比)≧1(気体の場合)   { Cp - Cv = A・R  R:ガス定数 }
(7)等方性を有する物質では、体積膨張係数は線膨張係数の約3倍である。(β=3α)
(8)純金属の電気抵抗は、温度が高くなるにしたがっておおきくなる。
(9)ゼーベック効果とは、2種類の金属線で回路を作り、一方の接点を加熱し、他方の接点を冷却
すると、起電力が発生、両接点の温度差に応じた電流が流れる。 { ゼーベック効果は、温度
計に利用されている。}
(10)ペリチェ効果とは、2種類の金属線で回路を作り、これに電圧をかけると、一方の接点は温度
が上がり、他方の温度は下がる現象をいう。  { 電子冷熱に利用されている。}
(11)カルノーサイクルとは、等温膨張 → 断熱膨張 → 等温圧縮 → 断熱圧縮 からなるサイクル
で、あらゆる熱機関の中で熱効率は最大である。
(12)顕熱とは物質の温度を上げる(又は下げる)ための熱量で、潜熱は物質の状態が変わる(液体
→気体)時の熱量。
{ 氷の融解熱= 79.7 kcal/kg at 1気圧、水の蒸発潜熱= 539 kcal/kg at 1気圧 }
$2.伝 熱 (熱放射・熱伝達(対流)・熱伝導、熱通過)

●伝熱では、熱伝導、対流、熱放射、熱伝達、熱通過などの用語の定義を理解しておきましょう。
(1)熱伝導とは、固体内の高温部から低温部へ熱が移動する伝熱現象をいう。

(2)熱伝導による伝熱量は、その固体内の温度勾配に比例する。
(3)熱放射とは、熱エネルギーが電磁波として伝わる現象をいい、熱の移動に媒体を必要としな
(4)熱放射による伝熱量は、ステファン・ボルツマンの法則で表され、物体の絶対温度の4乗に比
例する。
Qr = ε1・ε2・σ(T14 - T2^4)・A1・F12 (ε:放射率、σ:ステファン・ボルツマン定数)

(5)熱放射の強さは、物体の温度と表面の形状により決まる(F12:面1より面2を見た場合の係
(6)熱伝達とは、固体壁とこれに接する流体間の伝熱現象をいい、伝熱量は固体表面温度と周
囲流体温度との差に比例する。
Q = α(θ-t)A・τ  (α:熱伝達率 θ:固体表面温度 t:流体温度 τ:時間)

(7)強制対流は、自然対流に比べ熱移動量が大きくなる。
(8)熱通過(熱貫流)は、固体壁両側の流体間の伝熱現象をいい、伝熱量は両側の流体温度の
差に比例する。
Q= K(t1 - t2)Aτ   ( K:熱通過率 t1 t2:両側流体の温度 A:壁面積 τ:時間)

$3.燃焼 (燃料の酸化現象、酸化と同時に多量の熱を発生する)

(1)高発熱量とは、燃焼によって生ずる水蒸気の潜熱分を含んだ熱量をいう。
(2)理論空気量とは、燃料を完全燃焼させるために理論上必要な最小空気量(最小酸素量)をい
(3)理論空気量は、燃料の種類に関係なく、発熱量 約4,200Kj当り1m3である
(4)空気過剰率(m)は気体燃料に比べ固体燃料のほうが大きい。
m= (供給された空気量)/(理論空気量)
(5)酸素濃度が19%以下になると、不完全燃焼が始まる。(一般空気中の酸素濃度は 20.8 %)
(6)不完全燃焼状態における燃焼ガス中には、二酸化炭素、水蒸気、窒素、及び一酸化炭素な
どが含まれている。
(7)燃焼ガス中の窒素酸化物(NOX)の量は、低温燃焼時よりも高温燃焼時の方が多い。
$4.湿り空気

●湿り空気の分野では、湿り空気の状態変化に関する問題が、ほぼ毎年のように出題されています。また、
露点温度、飽和空気の性質、熱水分比、顕熱比などの用語の定義をよく理解しておきましょう。
●結露・防湿では、表面結露や内部結露に関する仕組みを理解しておきましょう。
(1)断熱飽和温度とは、アスマン通風乾湿計の湿球温度計で測定した温度。
(2)飽和湿り空気とは、湿り空気中の水蒸気分圧がその温度の飽和蒸気圧に等しい湿り空気のこ
と。それ以上蒸気(水分)を取り込めない状態になっている湿り空気。
{ 水分の蒸発は止まり、乾球温度と湿球温度は等しくなる。 水蒸気の含まれる限度は、重量
比で4%まで }
(3)飽和湿り空気では、水分の蒸発がないので、乾球温度と湿球温度が等しくなる。 {H21}
(4)露点温度とは、その空気と等しい水蒸気分圧をもつ飽和空気の温度をいう。
相対湿度(φ)とは、ある湿り空気の水蒸気分圧と、同じ温度の飽和空気の水蒸気分圧との比
(%)をいう。
φ= (p/ps)x100  ( p:ある湿り空気の水蒸気分圧 ps:飽和湿り空気の水蒸気分圧)

(5)比エンタルピーとは、乾き空気1kgが保有する熱量と、混在する水蒸気の保有する熱量の和。
エンタルピー(H) = U(内部エネルギー:エントロピー)+P(圧力)・V(体積)
(6){圧力の上昇や体積の膨張など外部に仕事として取出す事の出来るエネルギーと、温度の関
数であるエントロピーとの総和。}
(7)熱分水比とは、比エンタルピーの変化量を絶対湿度の変化量で割った値をいう。
(熱分水比) = (比エンタルピーの変化量)/(絶対湿度の変化量)
(8)熱水分比とは、エンタルピの変化量と絶対湿度の変化の比のことをいう。温水や蒸気を噴霧し
て加湿する場合、空気線図上で熱水分比と平行に状態変化していく。 {H21}
(9)湿り空気の全圧は、乾き空気の分圧と水蒸気の分圧の和である。
(10)湿り空気の全圧は、その湿り空気中の乾き空気の分圧と水蒸気の分圧の和で表される。 {H21}
(11)100℃の蒸気を噴霧すると、乾球温度はほぼ一定であるが、比エンタルピーは増加する。( 下
図 ③ )
(12)圧力一定のもとで湿り空気を電気加熱器で加熱すると、エンタルピーは増加するが、絶対湿
度は変化しない。 {H21}
(13)結露の防止
(a) 多層壁の構造体の内部における各点の水蒸気分圧を、飽和水蒸気圧より低くする。
(b) 外壁の内側に断熱材を設ける場合は、防湿層の位置を屋外側よりも室内側(高温側)にする。
(c) 室内空気の温度を高くして、室内側壁の表面温度を高くする。

                                                    

①は、表面温度が空気の
露点温度より低い
空気冷却器による冷却である。
②は、水スプレーによる加湿である。×{水スプレーによる加湿の場合、
比エンタルピーは同じ(変化しない)}
③は、蒸気スプレーによる加湿である。
{絶対湿度が上昇、
乾球温度はわずかに上昇する}
④は、電気加熱器による加熱である。           
{絶対湿度は変化せず、
乾球温度は上昇する}
2-3.その他(音・振動) ( 区分コード=23出題数1問:必須)

●音の分野では、音の速さ、可聴周波数、音の大きさ、NC曲線、音の合成、マスキングなどの内容
$1.音の性質

(1)人の耳で聴く事が出来る音の周波数は、20~20,000 Hzである。
(2)音の速さ(c)は、一定気圧のもとでは、空気の温度(T)が高いほど速くなる。
c = 331.5 + 0.6T
(3)音の速さは、空気の温度や気圧により変化するが、15℃の大気圧における空気中では約340
m/sec である。
c(気体中の音速) = √(K・P/ρ)   {K:体積弾性率 P:圧力 ρ:媒質の密度}

(4)音の強さはとは、音の進行方向に垂直な平面内の単位面積中を単位時間に通過する音のエ
ネルギー量をいう。{H21}
(5)音の強さとは、音の進行方向に垂直な平面内の単位面積を単位時間に通過する音のエネル
ギー量をいい、単位はW/m2 で表示される。
(6)音の強さのレベルを20dB下げるには、音のエネルギーを1/100 としなければならない。
STL = 10xlog10(I/I0) [dB]   I = P2/ρ・c   { P:音圧 ρ:密度 c:音速 }
(7)音の大きさとは、その音と同じ大きさに聞こえる周波数が1,000 Hzの純音の音圧レベルの値で
ある。{H21}
(8)人間の聴覚に対する音の大きさのレベルは、1,000Hzにおける音圧レベルを基準として定め
られている。
(9)Phon = ラウドネスレベル
(10)残響時間とは、音源を停止した後、音圧レベルが60 dB減衰するまでの時間をいう。 {H21}
$2.騒音

(1)測定対象の音がある時と、ない時との騒音計の指示値の差が10以下のときは、暗騒音の影響
を無視できる。
(2)マスキングとは、ある音を聞こうとするとき、他の音のために聞きにくくなる現象をいう。
(3)マスキング効果は、マスクする音の周波数がマスクされる音の周波数に近いほど大きい。
(4)NC曲線は、騒音評価をするためのもので、周波数別に音圧レベルの許容値を示す曲線であ
る。(代用NCA曲線)
(5)同じ音圧レベルの音二つを合成すると、音圧レベルは約3dB大きくなる。
(6)音圧レベル50dBと60dBの音を同時に聞くと、音圧レベルは約60dBとなる。
(7)グラスウール吸音材は、周波数の低い音よりも周波数の高い音のほうが吸音率が大きい(効果
が高い)。
(8)遮音性能の良い遮音材は、透過損失が大きい
$3.騒音計

(1)騒音計には、A特性とC特性、それに加えてより平坦な周波数特性を持つFLAT(平坦)特性が
装備され、特に騒音レベルの測定では、常にA特性曲線を使って測定を行ない、その表示
は、例えば80dBAや80dB(A)というようにdBの次にAを付して表現します。 {H21}

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