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2010年7月21日水曜日

電気

3.電気・建築(G-3)
3-1.電気工学(区分コード=31 出題数2問:必須)

●電気の分野では、三相誘導電動機の特性、電動機の分岐回路、電動機の始動方式、インバータ制御などから出題されています。また、配線工事(金属管工事、合成樹脂管、接地工事)は毎年出題されています。


$1.電動機

(1)電源電圧が低下すると、始動トルクは減少する(下がる)。

(2)誘導電動機の回転数(N)は、すべり(s)のため、同期回転数(同期速度)(N0)より低くなる。

(3)N = (1-s)x N0 = (1-s)x 120f/P [rpm] 

{s:すべり f:電源周波数 P:極数}

(4)電源周波数が変わると、回転数も変わる。(50Hz地域より60Hz地域のほうが回転数は20%速く

(5)電源配線のうち2本を入れ替えると回転方向が変わる。(回転磁界が逆になるため)

(6)3相誘導電動機には、かご形と巻線形があるが、かご型電動機は構造簡単・堅ろう・取扱が容易・安い。(~15kw)

(7)インバータ制御は、周波数を変えて(連続的に)速度(回転数)を制御できる。

(8)インバーター制御方式では、インバーターにより電圧と周波数を変化させて、速度を連続的に変えることができる。 インバータ制御は、始動電流を小さくすることが出来るので、電源設備容量が小さくてよい。

(9)インバータ制御は、高調波が発生し、進相コンデンサー等が焼損することがある。




$2.電動機の始動

(1)単相誘導電動機の始動には、コンデンサー始動・分相始動・反発始動方式がある。(~0.4

(2)3相誘導電動機の始動には、スターデルタ始動・始動補償機器始動・リアクトル始動方式等が

(3)スターデルタ始動方式は、巻線をスター結線で始動させる方式で、一般に、11 kW以上の中容量の電動機に使用される。

(4)三相誘導電動機のスターデルタ始動方式の特徴。 {H21}

①巻線をスター結線で始動させ、デルタ結線で運転する方式で、減電圧始動方式の中では、比較的安価である。

②全電圧直入れ始動方式と比較して、始動電流を1/3に低減できる。

③始動から運転に入るときに、電気的、機械的ショックを生じる。

④主に5.5kW以上から45kW程度までの電動機で採用される。。



$3.配線

(1)金属管内で電線を接続してはならない。(ボックス内で接続する、ボックスとボックス間は屈曲を少なくする)

(2)電線の接続は、プルボックスの内部で行った。 {H21}

(3)電動機2台への配線は、1本の金属管に配線を収めて施工することが出来る。

(4)合成樹脂配線管に通す電線はIV電線(600Vビニル絶縁電線)などを用いる。

(5)CD管(合成樹脂製可とう電線管)は、直接コンクリートに埋め込むことが出来る、

(6)300V以下の配線は、D種絶縁、300V超の配線はC種絶縁を施す。(全長4m以下で乾燥している場合は省略可)

(7)交流アーク溶接機の電撃防止装置は、アークの出ていない時の感電防止のためのものであ

(8)PF管(合成樹脂製可とう電線管)は自己消火性があるので、直接天井内に転がして施設し

(9)PF管(合成樹脂製可とう電線管)を直接コンクリートに埋め込んで敷設した。 {H21}

(10)D種接地工事は、 300V以下の機器の鉄台、金属製外箱、金属管などに用いるので、400Vの場合はC種接地工事以上になる。{H21}

(11)浄化槽の分岐回路に、漏電遮断器を設けた。{H21}



3-2.建築工学(区分コード=32 出題数2問:必須)

●建築の分野では、コンクリートの特性、水セメント比、スランプ値、ブリーディング、ワーカビリティ、かぶり厚さ、貫通孔、開口部の補強、配筋に関する内容を理解しておきましょう。


$1.鉄筋コンクリート

(1)水セメント比が小さいコンクリートほど、中性化が遅くなる。

(2)同じ品質のセメントであれば、水セメント比の小さいコンクリートほど強度が大きい。

(3)水セメント比が大きくなると、コンクリートの強度は低下し、乾燥収縮によるひび割れを誘発することがある。{H21}

(4)かぶり厚さは、鉄筋(主筋、あばら筋)の表面とこれ覆おうコンクリート表面までの最短距離をい

(5)かぶり厚さを確保するためには、スペーサーなどを用い、コンクリート打ち込み時の型枠や鉄筋の変位を少なくする。

(6)柱の鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、帯筋の外側からコンクリート表面までをいう。

(7)あばら筋は、はりに生じるせん断力に抵抗する。

(8)主筋の継ぎ手は、応力の小さい部分に設ける。

(9)4辺固定床版の主筋は、短辺方向に配筋する。

(10)コンクリートを打ち込む場合、1箇所に多量に打ち込んでバイブレータ等により横流しをしてはならない。{H21}

(11)床版に最大径が700 mm 以下の開口を設ける場合で、鉄筋を切断するときは、開口の周囲や隅角部を鉄筋で補強する。{H21}



$2.材料に働く力

(1) ピン支持の部材には、曲げモーメントは働かない。


$3.はりの貫通

(1)円形のはり貫通孔の径(d)は、はりせい(H)の1/3 以下とする。
  { d ≦ H/3 }

(2)並列する2つの貫通孔の中心間隔(L)は孔の平均値の3倍以上とする。 
 { L ≧ 3・(d1 + d2 )/2 }

(3)はり貫通孔のためはりのせん断強度が低下するため、ななめ配筋を追加し、せん断補強が必要である。

梁せい(H)が、900mm のとき

(1) Aは、1,080mm以上である。

(2)Bの最大径は、300 mmである。

(3)Cは、3×(B十200)/2 mm以上である

(4) Dは、250mm以上である。



第Ⅱ章 空気調和設備 {選択 G-4~G-7 23問より12問回答}

4.空気調和(G-4、区分コード=41 出題数5問)

●空気調和設備の分野で注目しておかなければならない項目は、省エネ対策に効果的なシステムである

コ・ジェネレーション、空気調和方式、空調負荷、空気線図上の変化、自動制御などです。これらの項目からは、この数年ほとんど毎年のように出題されていますので、最重要項目としてマークしておきましょう。

●コ・ジェネレーションでは、コ・ジェネレーションの特徴、内燃機関の種類と特徴、熱雷比、発電効率について十分に理解をしておきましょう。

●空気調和方式では、定風量単一ダクト方式、変風量単一ダクト方式、ダクト併用ファンコイルユニット方式、床吹出し方式、エアフローウインド方式などを中心に、各種方式の比較についてよく出題されています。


4-1.空調負荷

●空調負荷では、設計用外気温度(TAC温度)、実効温度差、各種負荷の求め方(ガラス窓、外壁、土間など)、負荷と建物形状との関係などが出題されています。



$1.熱負荷全般

(1)壁体の熱通過率は、同じ構造体であっても夏期に比べ冬期の方が大きくなる。

(2)人体負荷は、室内温度が変わっても全発熱量はほとんど変わらないが、温度が上がるほど顕熱が小さくなり、潜熱が大きくなる。

(3)実効温度差は、壁体断面構成、外壁表面の全日射量、外気温度、時刻などにより変わる。

(4)複層ガラスでは、ブラインドを室内側に設けるより、ガラスの間に設けるほうが熱負荷が少な

(5)ダクト表面からの熱負荷や空気漏れによる負荷は、室内負荷の10~15%として計算する。

(6)サッシからの隙間風負荷は、室内を正圧に保つことにより無視することが出来る。

(7)建物の平面形状が長方形の場合、夏期の最大冷房負荷は長辺が東西に面する方が南北の場合より大きい。

(8)同じ床面積の場合、外壁面積や縦横比が大ききなるほど年間熱負荷が大きくなる。

(9)空調エネルギー消費係数(CEC/AC)とは、年間空調消費エネルギー量を年間仮想空調負荷で除した値をいう。

(10)年間熱負荷係数(PAL)とは、ペリメーターゾーンの年間熱負荷をペリメーターゾーンの床面積で除した値をいう。

(11)非空調部分を外周部に配置するダブルコア方式は、センターコア方式に比べ年間熱負荷が大きい。


$2.暖房負荷

(1)土間床・地下壁の透過熱負荷は、年間を通して熱損失側であるので、冷房時の最大負荷計算においては、一般に無視する。ただし、暖房負荷時には損失負荷として考慮する。 {H21}




$3.冷房負荷

(1)冷房計算に用いる外気温度のTAC温度は、超過確率を小さくとるほど、設計外気温度は高く

(2)外壁の冷房負荷は、外壁の日射吸収率が大きくなるほど大きくなる。

(3)外壁の冷房負荷の計算には、実効温度差を使用する。

(4)日射の影響を受ける外壁の冷房負荷は、時間遅れを考慮する。

(5)冷房負荷計算では、土間床や地下壁からの熱負荷は無視する。

(6)冷房負荷計算において、ガラス面からの熱負荷は、室内外の温度差によるガラス面通過熱負荷と、透過する太陽放射によるガラス面日射負荷とに区分して計算する。 {H21}


(7)ガラス窓の冷房負荷は、北側で陽の当らない場合でも、日射負荷を考慮する。


4-2.蓄熱槽

(1)蓄熱槽を設けると、冷凍機を高効率で運転でき、深夜電力の利用が可能となる。

(2)氷蓄熱方式は、氷の融解潜熱と水の顕熱を利用する。

(3)氷蓄熱方式は、水蓄熱方式に比べて蓄熱槽を小さくすることが出来る。

(4)氷蓄熱では、冷媒の蒸発温度が低下するため、冷凍能力および効率(COP)が低下する。

(5)氷の融解潜熱を利用するので、水蓄熱に比べ蓄熱槽の大きさを小さくできる。



4-3.コージェネレーション方式

(1)コージェネレーション方式は、ホテルや病院などのように、熱需要と電気需要が同時に発生する施設に適している。


(2)コージェネレーション方式は、電力と熱の負荷バランスにより総合エネルギー効率が変動す

(3)同じ燃料消費量の場合、
排熱量は、 ディーゼルエンジン < ガスエンジン < ガスタービン  の順で増加するが、

発電出力は、ディーゼルエンジン > ガスエンジン > ガスタービン  の順に減少する。

(4)ガスエンジンを使用する場合、排熱は、排ガスとジャケット冷却水の形で利用(回収)できる。

(5)ガスタービンを使用する場合は、排ガスボイラーにより蒸気を製造し、排熱回収できる。

(6)ガスタービンを使用すると、二重効用吸収冷凍機が使用できる。

(7)発電機の受電並列運転(系統連系)は、自家用発電設備を電気事業者の商用系統に連系して負荷機器に電力を供給することである。自使用分以上の発電量がある場合は、電力会社に余剰電力を売ることが行なわれる。




4-4.空気調和の計画

(1)全熱交換器により熱回収を行う場合は、便所からの排気は利用しない。 {H21}

(2)日射や外気温度による室内への熱の影響を小さくするため、エアフローウィンドウ方式を採用した。{H21}

(3)方位別ゾーニングをした建物で外気冷房を行う場合、北ゾーンより日射量の多い南ゾーンの方が効果が高い。{H21}

(4)搬送動力を削減するためには、温度差を大きくし、流量を少なくする。 {H21}

(5)冷温水の往き還り温度差を大きくとり、送風量、循環水量を小さくすることで、 空調機や循環ポンプ等の空調搬送能力を低減することができる。



4-5.空気調和設備の特徴



$1.定風量単一ダクト方式(CAV方式)

(1)定風量単一ダクト方式は、熱負荷特性のほぼ等しいゾーンにおいて安定した温湿度制御が

(2)定風量単一ダクト方式は、ファンコイルユニット・ダクト併用方式に比べ、中間期などの外気冷房が行いやすい。

(3)定風量単一ダクト方式は、各室間で時刻別負荷変動パターンが異なると、各室間で温湿度のアンバランスを生じやすい。 {H21}


$2.変風量単一ダクト方式(VAV方式)

(1)変風量単一ダクト方式は、変風量ユニットを部屋ごともしくはゾーンごとに配置することにより、
個別制御が可能である。

(2)変風量単一ダクト方式は、送風機の回転数を制御して、省エネルギー効果を上げることが出

(3)変風量単一ダクト方式は、一般的には送風温度を一定とし、送風量を変化させ、室内温度を
調整する。

(4)変風量単一ダクト方式は、最小風量時に必要外気が確保出来るよう考慮する。

(5)変風量単一ダクト方式は、冷房の低風量時にコールドドラフトを生じる(起こす)可能性があ

(6)変風量単一ダクト方式は、低負荷時において吹出し風量が少なくなるため、外気量を確保す
るための対策が必要である。{H21}



$3.ダクト併用ファンコイルユニット方式

(1)ダクト併用ファンコイルユニット方式は、全空気方式に比べ空気搬送動力が少ない。

(2)ダクト併用ファンコイルユニット方式は、全空気方式に比べ送風量を少なく出来るため、ダクト
スペースは小さくてすむが、浮遊粉じんの処理が不十分になりやすい。

(3)ダクト併用ファンコイルユニット方式は、定風量単一ダクト方式に比べ、搬送動力が小さい。



$4.床吹出し方式

(1)床吹出し方式は、一般に天井吹出しに比べ、吹出し温度差を小さくとる。

(2)床吹出し方式は、OA機器の配置換えなどによる発熱源移動に時に容易に対応できる。

(3)浮遊粉塵の少ない空調空間が出来る--床吹き出し口からの粉塵巻き上げはほとんど無く、た
ばこの煙や浮遊粉塵は速やかに天井吸い込み口へ吸い込まれる。

(4)床吹出し方式は、冷房運転時における居住域の垂直方向の温度差が生じやすい。 {H21}



$5.エアフローウインド方式

(1)エアフローウインド方式は、日射や外気温度による室内への影響を小さく出来る。


4-6.空気調和設備の運転・制御

(1)冷却塔のファンは、外気温度による可変速制御とする。

(2)電気集じん器は、空気調和機の送風機と連動運転とした。

(3)外気取入ダンパーは、予冷・予熱時間を経過後に開放し、送風機停止時に閉止する制御とし

(4)空気調和機の送風機は、各VAVユニットの開度信号を空気調和機系のデジタルコントロー
ラーで演算することによる回転数制御とした。

(5)空気調和設備の自動制御対象と検出要素。{H21}
  (自動制御対象)               (検出要素)

①冷却塔ファン発停制御 ―――――― 冷却水の出口温度

②導入外気量制御  ―――――――― 二酸化炭素濃度

③空気調和機コイルの冷温水量制御 - 室内温度

④空気調和機の加湿量制御  ―――― 室内湿度



5.冷暖房・換気・排煙(G-5)

●空気線図上の変化では、冷房運転、暖房運転における各状態点の名称を理解しておくことが必要です。
また、コイル負荷、加湿量、送風量、吹出し温度、外気取入れ量などを求める計算問題も出題されます。

5-1.冷暖房(区分コード=42 出題数2問)


$1.冷房風量

(1)外気導入に伴う熱負荷は、冷房風量の算出には関係しない。


$2.冷房運転

点①は、外気の状態
点②は、室内の状態
点③は、冷却コイル入口の状態で、外気量が多くなるにしたがい点①に近づく。
点④は、冷却コイル出口の状態で、吹出し空気の状態でもある。
顕熱比が小さくなるほど、直線②-④の勾配は大きくなる。
外気負荷は、点①と点②のエンタルピー差と外気量の積(掛算)として求めることが出来る。


$3.送風量

(1)冷房風量(Q)は、次の式で表される(計算できる)。(上図参照)
 Q = 3,600 x qs/{1,000 x ρ x Cp x (t2-t4)} = qs/(0.33x⊿t) [m3/h]
 qs:顕熱負荷[w] ( = 顕熱比(SHF) x 全熱負荷 )
 ρ :空気の密度 ( = 1.2 kg/m3 )
 Cp:空気の定圧比熱 ( = 1.01 kJ/kg・K )
 ⊿t:室内温度(t2)と吹出し空気温度(t4)の差 [℃]


$4.冷却コイル負荷

(1)冷却コイル負荷は、点③と点④のエンタルピー差と送風量の積として求めることが出来る。
 qC(冷却コイル負荷[W]) = 0.33 x Qx(h3 - h4)
 Q :送風量 [m3/h]
 h3:冷却コイル入口(点③)のエンタルピー  [ kJ/kg(DA)]
 h4:冷却コイル出口(点④)のエンタルピー  [ kJ/kg(DA)]


$5.外気負荷、外気取入れ量

(1)外気負荷は、点①と点②のエンタルピー差と外気量(QF)の積として求めることが出来る。
 qF(外気負荷[W]) = 0.33 x QF x(h1 - h2)

(2)外気取入れ量(QF)は次式で求められる。
 QF = Q x(h3-h2)/(h1-h2) [m3/h]

$6.暖房運転

(1)点①は、外気の状態を示す。
(2)点②は、室内の状態。
(3)点③は、加熱コイル入口の状態で、外気量が多くなるにしたがい点①に近づく。
(4)点④は、加熱コイル出口の状態で、加湿器入口の状態でもある。
(5)点⑤は、加湿器出口の状態であり、吹出し空気の状態点でもある。
(6)顕熱比が小さくなるほど、直線②-⑤の勾配は大きくなる。
(7)この空気線図は、蒸気加湿方式の状態を表している。


$7.加熱コイル負荷

(1)冷却コイル負荷は、点③と点④のエンタルピー差と送風量の積として求めることが出来る。
 qh(加熱コイル負荷[W]) = 0.33 x Qx(h4 - h3)
 Q :送風量 [m3/h]
 h3:加熱コイル入口(点③)のエンタルピー  [ kJ/kg(DA)]
 h4:加熱コイル出口(点④)のエンタルピー  [ kJ/kg(DA)]

$8.加湿量

(1)加湿量(L)は、点④と点⑤の絶対湿度差と、送風量(Q)の積として求めることが出来る。
L = 1.2 x Q x (χ5 - χ4)  [ kg/h ]
Q :送風量 [m3/h]
χ5 :加湿器出口の絶対湿度 [ kg/kg(DA) ]
χ4 :加湿器入口の絶対湿度 [ kg/kg(DA) ]


$9.自動制御

●自動制御では、空調機制御上の留意点、VAV方式やVWV方式の制御などから出題されています。

(1)デジタル式は、調整部にマイクロプロセッサを用い、各種制御・演算をソフトウェアにより行い、
複雑で高度な制御に使用される。

(2)加湿器は、サプライダクトに湿度検出器を設置、ファンとインターロックを取る。

(3)VWV方式の冷温水配管系統は、冷温水の制御弁に電動二方弁を使用する。

(4)VAV方式は、インバータを用いた回転数制御とする。

(5)VAV方式は、サプライダクトの静圧を検出して、ファンの制御をする。


$10.パッケージ形空気調和機の性能:COP(成績係数)

●COP:冷房機器などのエネルギー消費効率の目安として使われる係数。消費電力1kWあたりの冷却・加
熱能力を表した値である。 COPは省エネ法にも採用されているため、冷房機器の性能指標として広く一般
に浸透している。冷房機器をある一定の温度条件の下で運転した場合(定格条件)の性能を評価することか
ら定格エネルギー消費効率とも呼ばれ、定格冷房・定格暖房時の消費電力1kWあたりの冷房・暖房能力を
表したもの

(1)COPは、(冷暖房)COP= (冷暖房)能力(kW)÷(冷暖房)消費電力{投入エネルギー}(kW)。 {H21}

(2)外気温度と室内温度の差が小さいほど、COPは大きくなる。 {H21}

(3)ヒートポンプの場合、JISに定める空気温湿度条件では、暖房(加熱)時のCOPは、冷房(冷
却)時より大きい。{H21}

(4)屋外熱交換器が結霜する外気条件では、相対湿度が高いほど、COPは小さくなる。 {H21}


5-2.暖房設備


●暖房設備では、各種暖房方式の特徴、地域冷暖房の熱源受け入れ方式などが出題されています。また、
蒸気配管からは、蒸発タンクやスチームハンマーに関する内容も見落とせません。

$1.蒸気暖房

(1)蒸気暖房は、主として蒸気の持つ潜熱を利用する。

(2)蒸気暖房は、温水暖房に比べて、装置や管内保有水の熱容量が小さいので、予熱時間が短
くてすむ。


$2.温水暖房

(1)温水暖房は、蒸気暖房に比べて、負荷変動に対する制御特性が優れている。


$3.放射暖房

(1)放射暖房は、温風暖房に比べて、室内空気の温度むらが少なく、室内気流が生じにくい。

(2)放射暖房は、温風暖房に比べて、室内空気温度を低く抑えられるので、建物からの熱損失を
少なく出来る。

(3)高温放射暖房は、体育館や工場等の高天井・大容量空間に用いられる。

5-3.地域冷暖房

(1)需要者としては、建物ごとに熱源機器を持つ必要がなくなるので、床面積の利用率がよくな

(2)熱効率の高い熱源機器の採用が可能となり、また発電設備と併設することにより、これの排熱
を利用することができ、エネルギーの有効利用が可能となる。{H21}

(3)熱源に燃焼機器を用いる場合、熱源の集中化により、ばい煙の管理をよりよい条件で行うこと
が可能となり、大気汚染防止にも貢献できる。{H21}

(4)地域冷暖房施設では、負荷傾向が分散されるような需要の場合に、ピーク負荷が低減され有
利になる。{H21}

(5)熱源プラントからの受入れ方式には、直結方式、ブリードイン方式、熱交換方式などがある。

(6)高温水は、蒸気に比べ勾配が比較的容易に取れるので、高低差のある広い地域の暖房に適
している。

(7)高温水配管の加圧用ガスとしては、窒素、アルゴン等が使用される。


5-4.換気・排煙(区分コード=43 換気・排煙出題数4問)

$1.換気設備

●換気設備の分野では、C02、CO、室内気流、浮遊粉じんの許容基準値を覚えておきましょう。浴室、厨
房、劇場、宴      会場、火を使用する室などについて、換気設備の留意点に関する内容がよく出題さ
れます。また、必要換気量では、室内C02許容濃度を基準とする必要換気量の計算問題、居室の換気量と
算定人員の計算問題が出題されています。

(1)機械換気には第1種(給・排気機)、第2種(給気機-正圧室)、第3種(排気機-負圧室)があ

(2)浴室の換気は第3種機械換気とし、使用後しばらく排気送風機を運転し、結露の防止をはか

(3)厨房は第1種機械換気とし、燃焼ガス・臭気・水蒸気が他室へ拡散しないようやや負圧とする。

(4)劇場、映画館の客席部では、窓がある場合でも、一般に、機械換気設備又は中央管理方式
の空気調和設備が必要である。

(5)居室においては、換気に有効な窓部分の面積がその居室の床面積に対して1/20以上あると
きは、換気設備を設けなくてもよい。

(6)ボイラ室は、酸素の供給及び熱を除去するために、第1種機械換気を行った。 {H21}

(7)駐車場は、排気ガスを除去するために、1種(機械給・排気)又は3種(機械排気式)行う。 {H21}

(8)浴室・シャワー室は、湿気を除去するために、第3種機械換気を行った。{H21}

(9)住宅の居室は、換気回数0.5 回/h以上の機械換気を行った。{H21}

$2.排煙設備

●排煙設備の分野では、各種排煙方式の特徴、排煙口の設置位置、手動開放装置の設置位置など、排煙
設備全般について理解しておきましょう。また、排煙機の風量、排煙ダクトの算定風量を求める計算問題も
出題されています。

●建築基準法の関連では、換気設備や排煙設備の設置基準、免除事項、構造(排煙□、防煙壁)、中央管
理室での制御などについて幅広い内容で出題されています。

(1)自然排煙設備は、天井高の高い大空間にてきしており、高温の煙ほど排煙能力が高まる。

(2)自然排煙による場合、排煙上の有効な開口面積は、防煙区画部分の床面積の1/50以上必
要である。

(3)自然排煙口面積は、当該防煙区画の床面積の1/50以上の排煙上有効な開口面積を有する
必要がある。{H21}

(4)天井高さが3m未満の場合、壁面に設けるときの排煙口の位置は、天井より80 cm 以内かつ、
防煙垂れ壁の下端より上の部分とする。{H21}

(5)廊下の排煙は、非難方向と煙の流れが逆になるよう排煙口を配置し、排気口形状は廊下幅一
杯のスリット状の物が良い。

(6)排煙口の設置位置は、当該排煙区画のどの部分からも水平距離で25m以内とする。 {H21}

(7)1つの排煙区画に、自然排気と機械排気を併用してはいけない。

(8)手動開放装置のうち手で操作する部分は、壁面に設ける場合、床面より80 cm から1.5 m の
高さに設ける。{H21}


機械排煙設備

(1)防煙区画の排煙風量は、1分間に、当該区画の床面積1m2につき1m3以上とする。{H21}

(2)2以上の防煙区画を対象とする場合の排煙機の風量は、1分間に、120 m3以上で、かつ最大
防煙区画の床面積1m2 につき2m3以上とする。{H21}

(3)排煙口の吸込み風速は、10 m/s以下とする。{H21}

(4)電源設備には、30 分以上継続して作動する容量の予備電源を設ける。 {H21}

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