気象条件と品質管理:舗装
(1) 技術的な課題 ( 7行 )
本工事は、○○公園の改修に伴い、公園広場と幹線道路への取付道路を築造する工事であった。前回の工事で基礎工事までが完了し、本工事は主に舗装工事を行うものであった。
表層舗装時期が1月下旬の冬期施工にあたり、合材温度のバラツキによる所定の締固め度不足が懸念された。このような気象条件下で、舗装工事の品質を確保するため、合材温度や転圧の管理が、本工事の最も重要な課題であった。
(2) 検討した内容 ( 11行 )
合材温度や転圧の管理について、次のような検討を行った。
① アスファルト混合物が最適な状態で締め固まる温度管理について、混合物の適正温度を検討した。敷均し時の温度は120~150℃、初期転圧時の温度は110~140℃、二次転圧時の温度は80~120℃など。
② 合材温度のグラフをリアルタイムで記入し、合材の温度や粒度、締固め度など、品質異常が早期に発見できる方法を検討した。
③ 冬期施工の舗装品質の管理試験について、その採用を検討した。締め固めた路盤に穴を掘り砂を入れて体積を調べることで密度を計算する現場密度試験、荷重を掛けたダンプトラックなどを走行させ目視で路床・路盤面の不良箇所を見つけるプルフローリング試験、施工後の舗装を乱数表より無作為に確認するコア抜き試験、表層の施工後のみ行われる道路の平坦性を調べる平坦性試験など。
(3) 対応処置 ( 7行 )
① プラントからの運搬経路はプラント側と協議して決定した。
② 運搬車荷台の帆布を3枚重ねにして温度低下を防止するとともに、荷卸しの待ち時間のないように工場との連絡を密に行った。
③ 気温5℃以上の時間帯(lO時~14時)に舗設できるように発注者と協議・検討し、当初2回の舗設を4回に増やした。
③ フィニッシャのスクリードを加熱し、敷均し後直ちにロードローラーで転圧を行った。
地質条件と品質管理:下水道
(1) 技術的な課題 ( 7行 )
本工事は、住宅が密集する道路下2~3mに、工事延長500mの区間、内径φ500mmの下水道管渠を築造するものであった。
近隣工区では広範囲にわたり圧密に起因する沈下が発生しており、当該工区においても間隙水の脱水に伴う長期的な圧密沈下、シールド機通過に伴う隆起や沈下等の地盤変状などが懸念された。
このような圧密沈下や地盤変状が予想される条件下での、シールド掘進に伴う地盤沈下対策が、品質管理上の重要な課題であった。
(2) 検討した内容 ( 11行 )
軟弱地盤内を厳しい条件下で掘進し、地盤沈下を最低限にとどめるために検討したのは、次の内容である。
① 自然含水比と横方向透水性が高い地盤条件に適合した、掘進工法の採用を検討した。
② 電気式間隙水圧計を使用して、掘進地点での圧密沈下量を試算するとともに、掘進時の地盤沈下対策工を検討した。
③ 掘進時における、地上部からの監視体制、土圧や間隙水圧などの管理体制の整備について検討した。
④ シールド機通過後の後続沈下量の測定方法と、家屋に及ぼす影響の調査方法について検討した。
(3) 対応処置 ( 7行 )
① 自然含水比と透水性の高い条件から、地盤の安定性を考慮し、掘進工法は、泥土圧式シールドを採用した。
② 地盤沈下対策として、路線の両側に、圧入工法による鋼矢板遮断壁を設置した。
③ 対策工法の施工後は、地上部からの監視を行い、切羽土圧や間隙水圧などの管理に細心の注意を払いながら掘進を行った。
シールド機通過後30cm程度の後続沈下が生じたが、工事は無事完了した。
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