第Ⅴ章 施工管理法(G-9){必須 8問}
9-1.施工管理(区分コード=81 出題数2問)
●施工計画の分野では、施工計画の内容、申請・届出書類などから出題されています。
●申請・届出書類では、各種書類の提出先、提出時期、根拠となる法令などの紺合わせが、毎年のように
出題されます。
1-1.施工計画
$1.着工時(施工前)の業務 {H21}
・契約書・設計図書の検討
・工事組織の編成
・実行予算書の作成、総合工程表の作成
・仮設計画、資材労務計画
・着工に伴う諸届け・申請
$2.施工中の業務 {H21}
・細部工程表の作成
・施工図・製作図面の作成
・機器材料の発注・搬入計画
・関係者との打ち合わせ
・諸官庁への申請・届出など
・作業の確認と記録
$3.完成時の業務 {H21}
・完成検査など
・引渡し業務
・撤収作業
1-2.請負契約の履行・監督員・現場代理人
(1)仮設や施工方法については、公共工事標準請負契約約款及び設計図書に特別の定めがあ
る場合を除き、請負者の責任において定めることが出来る。
(2)監督者の権限には、設計図書に基づき、工程の管理、立会、施工状況の検査等が含まれる。
(3)現場代理人は、工事現場に常駐し、契約に基づく請負者の一切の権限を行使することが出
(4)現場代理人の権限には、請負代金額の変更、請負代金の請求及び受領は含まれない。
(5)現場代理人は、主任技術者を兼務することが出来る。特定建設業者が請負った工事でも兼
務できる。
1-3.工事材料、破壊検査など
(1)工事材料の品質については、設計図書に定めるところによる。
(2)設計図書にその品質が明示されていない場合は、中等の品質を有するものとする。
(3)発注者は、施工が設計に適合していないと認められる場合、必要により、破壊して検査するこ
とができる。
(4)前記の検査及び修復に要する費用は、請負者の負担とする。
(5)発注者は、請負者から完成の通知を受けたときは、14日以内に検査を完了させなければなら
(6)完成検査完了後、請負者から請求を受けた日から40日以内に請負代金を支払わなければな
らない。
(7)工事目的物に瑕疵がある場合、発注者は相当の期間を定め、請負者に対し補修を請求する
ことができる。
(8)発注者の都合による変更のため、請負金額が2/3以上減少した場合は、請負者は契約を解
除できる。
(9)請負者側の責任で、工期内又は相当期間内に完了の見込みが明らかにない場合、発注者は
契約を解除できる。
1-4.実行予算・総合工程表
(1)実行予算書は、請負者が工事原価の検討と確認を行い、工事費の管理するために作成する
(2)総合工程表は、仮設計画から資材・労務の段取り、後片付けまでの全工程を示し、工事大要
を把握できる。
1-5.申請・届出
(申請・届出書類の名称) (提出先) (提出時期)
(1)ボイラー設置届 -------労働基準監督署長 着工10日前まで
(2)小型ボイラー設置報告書 --- 労働基準監督署長 (労働安全衛生法) {H21}
(3)道路占用許可申請書 ---- 道路管理者 着工前 (道路法) {H21}
(4)道路使用許可申請書 ---- 所轄警察署長 着工前 (道路交通法) {H21}
(5)消防用設備等着工届出書 -- 消防長又は消防署長 着工10日前までに
(6)危険物貯蔵所設置許可申請 - 県知事又は市町村長 着工前
(7)少量危険物取扱届出書 --- 消防署長 完成時
(8)高圧ガス製造許可申請 --- 都道府県知事 製造開始の20日前までに
(9)ばい煙発生施設設置届出書 - 県知事又は市町村長 着工60日前まで
(10)騒音の特定施設設置届出書 - 市町村長 着工30日前まで {H21}
9-2.工程管理(区分コード=82 出題数2問)
●工程管理の分野では、バーチャート工程表の特徴、ネットワークエ程表の特徴、時間管理を重要項目とし
てマークしておきましょう。
●ネットワークエ程表の特徴では、最早開始時刻、最遅完了時刻、クリティカルパス、各種フロート、リミット
パスなどの用語の定義を理解しておきましょう。
1-1.工程表の種類と特徴
(1)ガントチャートは、各工種の開始日、終了日、所要日数が不明である。
(2)ガントチャートは、工事全体の進行度が把握できない。
(3)ガントチャートは、各作業の完了時点を100 %として横軸にその達成度をとって示したもので、
各作業に必要な日数が何日であるかわからない。{H21}
(4)バーチャートは、作業の所要時間と作業の流れが比較的分りやすく、作成も容易。
(5)バーチャート工程表は、縦に各作業名を列記し、横軸に暦日等をとり、各作業の着手日と終
了日の間を横線で結んだものである。{H21}
(6)出来高進度曲線は、工事の累計出来高を工程に従って示したもので、一般にS字形曲線とな
(7)曲線式工程表は、全体工事を出来高累計曲線で管理する工程表で、工程が上方許容限界
曲線と下方許容限界曲線の間にあるように管理する。{H21}
(8)ネットワーク工程表は、丸と矢印の組合せで作業の流れを示すもので、先行・並行・後続作業
の流れが理解できる。
(9)ネットワーク工程表は、バーチャート工程表より実施工程の変更に対応しやすい。
(10)ネットワーク工程表において、日程短縮で検討を要する作業は、当初のクリティカルパスが短
縮されるとフロートの小さいパスがクリティカルパスになるため、これらを含めて検討する必要が
1-2.ネットワーク(時間管理)管理)
●時間管理では、最遅開始時刻、トータルフロート、フリーフロート、所用日数などの計算、クリティカルパス
を求める問題が出題されます。
※ アクティビティ(作業:矢印、作業名と所用日数)、
イベント(結合点:丸数字)、
ダミー
左から右へ流れる。
(1)デュレイションとは、アクティビティに付された数字で、作業に必要な時間のことである。 {H21}
(2)隣合う同一イベント間には、2つ以上の作業を表示しない。 {H21}
(3)最早開始時刻と最遅完了時刻が等しいイベントをクリティカルイベントといい、クリティカルパス
は必ずそのイベントを通る。
・最早開始時刻は、最も早く次の作業が開始できる時刻。
・最遅完了時刻は、計画の所要時間以内に完成させるために、完了していなければならな
い時刻。
(後続作業の所要時間を順次引算して算出する。
(4)最遅完了時刻は、最後のイベント番号の最遅完了時刻の値から逆算によって求める。 {H21}
(5)クリティカルパスとは、最も時間のかかる作業経路のことで、必ずしも1つとは限らない。
(6)クリティカルパスは、各作業のトータルフロートが0となるルートのことである。 {H21}
(7)クリティカルパスの経路で、工期が決定される。
(8)フリーフロート(余裕時間)は、最早開始時刻で始め、最遅完了時刻で完了する場合に生じる
余裕時間のことである。
(9)フリーフロートは、各作業の中で自由に使っても、後続作業に影響しない余裕時間のことであ
・フリーフロートは、その作業でしか使えず、ため込みが出来ない
(10)フォローアップは、放置しておけば現実から遊離してしまう計画に、現実の推移を入れて工程
調整することである。
(11)工期を短縮するためには、クリティカルパスだけでなく、リミットパスについても短縮する必要が
・リミットパスは、トータルフロートがマイナスの経路で、クリティカルパスを短縮した場合に、
次のクリティカルパスになる可能性を持っている。
(12)横軸を日付(暦日)に対応させたネットワークを、タイムスケールという。
・フリーフロートが一目で明確になり、クリティカルパスが直ちに分る。
・作業の調整の取合いがやりやすい。
・配員計画に容易に利用できる。
・バーチャートへ容易に変換できる。
9-3.品質管理(区分コード=83 出題数2問)
●品質管理の分野では、JIS Q9000、デミングサークル、品質管理の手順、全数検査、抜取検査、バレート
図、ヒストグラム、管理図、散布図、特性要因図などに開する内容を理解しておきましょう。
$1.品質管理一般
(1)品質管理を行うことによって得られる効果の一つとして、工事原価が下がることがあげられる。
$1.管理図
(1)パレート図は、要因を項目別に分類し、出現度数の多い順に並べ、棒グラフ表示し、累積和
を折れ線で示した図である。
(2)ヒストグラムは、測定値をいくつかの区間に分け(横軸)、その区間に属する測定値の出現度
数を縦軸にして表した図である。
(3)ヒストグラムを用いると、データの全体分布や、規格の上限、下限から外れている度合いがわ
かる。{H21}
(4)管理図法は、管理図を使用し工程が安定な状態にあるかどうかを調べると共に、工程を安定
な状態に保持する方法をいう。
(5)管理図を用いると、データをプロットして結んだ折れ線と管理限界線により、データの時間的
変化、異常なばらつきがわかる。{H21}
(6)散布図を用いると、グラフにプロットした点の分布の状態により、対応する2つのデータの関係
の有無がわかる。{H21}
(7)特性要因図は、異常原因を特定(推定)するため、異常結果に対する原因系の関係を系統的
に表した図をいう。
(8)特性要因図は不良の原因を掘り下げるためもので、不良件数・率とは関係しない。 {H21}
●特性要因図 :改善したい品質特性とこれに影響を及ぼす要因の関係を体系づけて図示したもので、問題点を事
前に検討する手法であり、不良をある率まで減らす対策にはならない。全体の不良をある率まで減らす対策ではパ
レート図が用いられることが多い。
$2.ISO9000
(1)デミングサイクルは、作業をP(計画)→D(実施)→C(検討)→A(処置)→Pと繰返すこと。
(2)デミングサークルの目的は、作業を計画(P)→実施(D)→検討(C)→処置(A)→計画(P)と
繰り返すことによって、品質の改善を図ることである。{H21}
(3)製品やサービスを作り出すプロセスに関する規格である。
(4)関係者の共通の理解を確実にするため、徹底した文書化が求められている。
(5)この規格の要求事項は、組織の実態に合わせ、該当する要求事項を満たせばよい(必ずしも
すべての事項を満足する必要はない)。
(6)企業の品質システムが本規格の要求事項に照らして妥当であるかについて、第三者機関で
ある審査登録機関がチェックをして認証を行う。
$3.検査
(1)抜取り検査は、連続物やカサ物及び被検体を破壊しなければならない場合に用いられる。
(2)抜取検査は、品物を破壊しなければ検査の目的を達し得ないもの等に適用する。 {H21}
(3)抜取り検査は、ロットとして合格か不合格かを判定するため、ロットに不良品がある程度混入す
ることが許される場合に適用出来る。
(4)不良品の混入が許されない場合は、全数検査を行う。
(5)全数検査は、大型機器、防災機器の検査や配管の水圧試験、空気調和機等の試運転調整
について実施する。{H21}
9-3.安全管理(区分コード=84 出題数2問)
$1.安全管理全般
(1)建設業における労働災害の死傷者数は、墜落・転落の要因による割合が最も多い。
(2)ツールボックスミーティングとは、作業開始前に関係する作業者が集まり、その日の作業、安
全などについて話し合いを行うことで、職場安全会議とも呼ばれている。
$2.特定元方事業者
(1)特定元方事業者は、関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導
及び援助を行う措置を講じなければならない。 {H21}
$3.統括安全衛生責任者
(1)特定元方事業者は、関係請負人を含めた工事現場の労働者数が常時{ 50 }人以上の場合
には、これらの労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を
防止するため、{ 統括安全衛生責任者 }を選任し、その者に元方安全衛生管理者の指揮を
させるとともに、協議組織の設置、作業間の連絡及び調整、作業場所の巡視等を統括管理さ
せなければならない。{H21}
$4.作業主任者
(1)事業者は、酸素欠乏危険作業については、都道府県労働局長登録教習機関により行われる
特別教育を受けた者を作業主任者に選任しなければならない。 {H21}
$4.作業現場での安全管理
(1)事業者は、ローリングタワーで作業を行うときは、ストッパーで脚輪を確実に固定させ、足場の
一部を堅固な床に固定させる等の措置を講じる必要がある。
(2)事業者は、高さが5m未満の足場の組立て作業を行う場合において、墜落により労働者に危
険を及ぼすおそれのあるときは、作業を指揮する者を指名して、その者に直接作業を指揮さ
せなければならない。{H21}
(3)事業者は、労働者に安全帯を使用させるときは、安全帯及びその取付け設備の異常の有無
について、随時点検しなければならない。 {H21}
第Ⅵ章 機器の施工(G-10、11){必須 9問}
●設備施工の分野では、機器の据付け、防振施工、ダクト施工、配管施工、保温施工に関する項目を最重
要項目としてマークしておきましょう。
10-1.機器の据付(区分コード=85 出題数2問)
●機器の据付けでは、ポンプ、送風機、冷凍機、空調機などの据付けについての基本的事項解しておきま
しょう
●防振施工では、固有振動数、強制振動数及び共振などの意味、ポンプや送風機の防振方法、防振材の
特徴から出題されています。
(1)重量機器の基礎は、コンクリート打込み後適切な養生を行い、10日以上存置した後、機器を
設置する。
(2)後施工のメカニカルアンカーは、メネジ形よりオネジ形のほうが許容引抜き力が大きい。(オネ
ジ > メネジ)
(3)J形及びヘッド付きアンカーボルトは、L形アンカーボルトより許容引抜き力が大きい。
(4)樹脂アンカーボルト(接着系)は、ガラス管状カプセル内の樹脂、骨材、硬化促進材の硬化接
着力により固定する。
※ 樹脂アンカーボルトはケミカルアンカーボルトとも称される。
(5)冷凍機凝縮器のチューブ引出し用として、有効な空間を確保するとともに、保守点検のため、
周囲に1m 以上のスペースを確保した。 {H21}
(6)ボイラ前面と壁・配管等の構造物との離隔を1.5 mとした。 {H21}
(7)冷却塔の補給水口の高さは、ボールタップを動作させるため、高置水槽の低水位より3mの
落差がとれる位置とした。 {H21}
(8)送風機吐出口から接続ダクトへの変形は、急激な変形を避けて傾斜角15度以内の漸拡大と
した。{H21}
10-2.配管・ダクト施工(区分コード=86 出題数4問)
●配管施工全般では、給排水配管、冷温水配管、蒸気配管、配管の試験など配管全般からの問題が毎年
出題されます。ダクト施工と並んで最重要項目です。
●ダクト施工では、コーナーボルトエ法、アングルフランジエ法、ダクトの継目、補強、曲がり部、シーリング
ディフューザ、防火ダンパーなどから毎年出題されていますので、十分な準備をして確実に得点につなげ
ていきましょう
$1.管の加工
(1)硬質塩化ビニルライニング鋼管の面取り加工は、ライニングされた硬質塩化ビニル管の厚さに
対し1/2から2/3程度とする。 {H21}
(2)厚さ5 mm の肉厚の炭素鋼管を突合せ溶接接合する場合の開先は、V形開先とする。 {H21}
(3)帯のこ盤や丸のこ切断機は、硬質塩化ビニルライニング鋼管の切断に適した工具である。 {H21}
(4)ステンレス鋼管の切断に、炭素鋼用の刃を用いると、刃先が鈍(なま)り、焼付きを起こしやすく
なる。{H21}
$2.開放式回路
(1)開放回路方式は、密閉回路方式に比べポンプ動力が大きくなる。
$3.伸縮管継手(ベローズ型、スリーブ型、ベント継手)
(1)単式伸縮管継手は、伸縮継手の配管の一方を固定し、他方の配管部には、ガイドを設ける
(継手本体は固定しない)。
(2)複式伸縮管継手は、継手本体を固定し、継手前後の配管にガイドを設ける。
(3)スイベル継手は、配管分岐部や曲り部のエルボを利用して、主管や枝管の伸縮を吸収するも
$4.冷温水・排水配管
(1)屋内排水横管の勾配は、管径65mm以下の場合は1/50、管径75、100mmの場合は1/100と
(2)冷温水配管の横引き配管は、1/250程度の勾配をとり、膨張タンク又は空気抜き弁に向かい、
先上がり配管とする。
(3)横走り配管で径違い管を接続する場合は、偏芯径違い継手を用いる。
(4)リバースリターン方式は、どの放熱器でも往きと返りの合計の摩擦損失をほぼ同じくする配管
方法である。
※各配管の負荷抵抗(摩擦損失)がほぼ等しいため、流量調整が比較的簡単に行える。
(5)冷温水配管は、往きと返りの温度差を大きくするほど搬送動力は小さくなる。
(6)開放形膨張タンクに向かう配管の横引き配管は、1/250程度の先上がり勾(こう)配とする。{H21}
(7)ベローズ形伸縮管継手を用いる場合は、一般に、接液部がステンレス製のものを用いる。 {H21}
(8)配管頂部に設ける自動空気抜き弁は、管内が正圧になる場所に設ける。{H21}
(9)ダイレクトリターン方式の放熱器に対する配管での圧力損失は、ポンプに近いほど小さくなる。
$5.蒸気配管
(1)上向き給気は、下向き給気に比べスチームハンマーを起こしやすいので、配管径を大きくす
(2)逆勾配の蒸気管は、順勾配の場合より、勾配を大きくとる。
(3)順勾配の横走り管で、径の異なる管を接続する場合は、偏心径違い継手を用い、管底をまっ
すぐにする。
(4)真空還水式の還水管にリフト継手を設ける場合は、真空ポンプに出来るだけ近づけて設け
(5)蒸気配管では、端末などの凝縮水が溜まりやすい場所に蒸気トラップを設ける。
(6)配管に設ける蒸気トラップの能力は、通気始めの凝縮水量をもとにして求める。
(7)高圧蒸気の還水を、低圧還水管に接続する場合は、蒸発タンク(フラッシュタンク)で減圧して
から接続する。
(8)高圧蒸気ボイラーの場合は、重力還水式で直接ボイラーへ凝縮水を返すことが出来る。
(9)低圧蒸気ボイラーの吹出し管は、ボイラー毎に単独に間接排水とする。
$6.配管の接合
(1)水道用ポリエチレン管 -------接着剤による接合
(2)水道用ステンレス鋼鋼管 ------溶接接合(フランジ接合)
(3)銅管 ------------------ろう付けによる接合
$7.ダクトサイズの決定
(1)等速法は、ダクト内の風速を、主管・枝管(分岐管)共に一定にして、ダクト寸法を決定する方
法である。
(2)等速法は、粉体などを含む輸送管路の設計に用いられる。
(3)等摩擦法(等圧法)は、主管・分岐管ともに単位長さ当りの摩擦損失が等しくなるようダクト寸
法を決定する。
(4)等摩擦法では、吹出し口までのダクト長に差がある場合、短い経路の抵抗を増やす必要があ
$8.ダクトの摩擦損失
(1)長方形ダクトのエルボの圧力損失は、曲率半径が小さく、アスペクト比が大きくなるほど、大き
(2)同一断面積、同一風量の場合、長方形ダクトの圧力損失は、円形ダクトの圧力損失より大きく
※円形ダクトは、圧力損失を最も少なくできる。長方形ダクトではアスペクト比が大きいと、圧
力損失も大きい。
(3)ダクトの局部抵抗は、流体の動圧と局部抵抗係数の積(掛算)で求められる。
$9.ダクトの施工法
(1)長方形ダクトの角の継ぎ目は2箇所以上とし、ピッツバーグはぜ又はボタンパンチスナップは
ぜとする。
(2)長辺が750 mm を超えるダクトの角の継目は、ダクトの強度を保持するため、原則として2箇所
以上とする。{H21}
(3)長方形ダクトの角の継目の構造には、ボタンパンチスナップはぜ、ピッツバーグはぜがある。
(4)アングルフランジ工法ダクトの強度は、コーナボルト工法ダクトよりも大きい。
(5)共板工法ダクトの接続は、フランジの四隅をボルト・ナットで締結し、フランジ辺部はフランジ押
え金具で固定する。(ダクト本体を成形加工したフランジで接続する)
(6)長方形ダクトの分岐法には、割込み分岐と直角分岐がある。
(7)割込み分岐の割込み寸法の決定は、分岐されるダクトの風量比による。
(8)長方形ダクトの曲り部の内側半径は、原則半径方向のダクト幅の1/2以上とする。
(9)長方形ダクトに用いる直角エルボには、ダクト板厚と同じ案内羽根を設ける。
(10)ダイヤモンドブレーキ又は補強リブは、保温を行わないダクトに施す。
(11)長辺が450mmを超える保温を実施しない長方形ダクトには、300mm以下のピッチでリブ補強
(12)支持(吊り)金物のピッチは、3,000mm以下(機械室では2,000mm以下)とする。
(13)風量調整ダンパーは、気流が整流された部分に設ける必要があり、エルボ部ではダクト幅の8
倍以上の直線部の後に設置する、直線部が確保出来ない場合は、エルボ部にガイドベーン
(14)横走り主ダクトに設ける形鋼振止め支持は、支持間隔約12 mごとに1箇所とする。 {H21}
(15)アングルフランジと鉄板との折り返しは5mm以上とり、製作後4隅の隙(すき)間をシール材など
でふさぐ必要がある。{H21}
$10.スパイラルダクト
(1)スパイラルダクトは、亜鉛鉄板をらせん状に甲はぜ掛け機械巻きしたものである。
(2)スパイラルダクトの差込み接続は、継手外面に接着剤を塗り、ダクトに差込み後ビス止めし、ダ
クトテープを巻く。
(3)ダクトの継目は甲はぜとし、折り幅は4.8 mm を標準とする。 {H21}
(4)口径が600 mm 以上のダクトは、フランジ継手接合とする。 {H21}
(5)差込み継手を接続する場合は、継手の外側にシール材を塗布し、スパイラルダクトを差し込
み、鋼製ビス(鉄板ビス)止めして、その上にダクト用テープで差込み長さ以上の外周を二重
(6)スパイラルダクトは、高圧ダクトとして使用可能。 {H21}
$11.送風機とダクトの接合
(1)送風機吐出し口の直後に曲りダクトを設ける場合は、吐出し気流が送風機回転方向に逆らわ
ない向きとする。
(2)多翼送風機吐出し側ダクトを曲げる場合は、羽根径の1.5倍以上離れた位置で、羽根車の回
転方向に曲げる。
(3)多翼送風機の吐出し側に設けるダンパーは、ダンパー翼が羽根車軸に対し直角になるように
取り付ける。
(4)送風機吐出し口又は空気調和機吐出し口とダクト接続部には、たわみ継手を用いる。
$12.排煙ダクト
(1)亜鉛鉄板製ダクトの板の継目は、ピッツバーグはぜを用いる。
(2)ダクトの接続は、フランジ継手とする。
(3)防火ダンパーの温度ヒューズの溶融(作動)温度は、一般系統では72℃程度、厨房排気系統
は120℃程度、排煙系統では280℃程度とする。
11-1.保温・保冷(区分コード=87 出題数1問)
●保温施工では、配管やダクトの保温施工上の注意事項がよく出題されています。
(1)横走り管に保温筒で保温する場合は、抱合わせ目地は管の上下方向を避け、横方向に目地
を向ける。
(2)保温厚さ確保のため、保温筒を多層に巻く場合は、抱合わせ目地が重ならない様に巻く。
(3)繊維系保温材を湿度の高い場所で使用する場合は、透湿を防ぐためポリフイルム等で、防湿
(4)立て管の保温層を綿布などのテープで巻き上げる場合は、下方から上向きに巻き上げる。
(5)屋内冷温水配管で、呼び径65以上の弁・ストレーナ等は、容易に着脱出来る金属製カバーで
外装する。
(6)冷温水管を鋼製吊り具で直接支持する場合は、吊り金物も保温外装から150mm程度まで保
温する。
(7)壁や梁の貫通部では、連続して保温施工する、保温しないと未施工管表面に結露する。
11-2.その他施工・試運転調整(区分コード=88 出題数1問)
$1.腐食・防食
●腐食では、腐食の形態や防食について出題されています。
(1)溶存酸素を含む水中での鉄の腐食は、密閉系の場合には温度の上昇と共に増大する。
(2)蒸気配管の場合、還り管のほうが往き管に比べ腐食しやすい。
(3)イオン化傾向の大きい金属は、腐食しやすい。
(4)銅管と鋼管を接続すると、鋼管が腐食するので、絶縁継手を用いる。
(5)給湯配管に黄銅製バルブを使用すると、脱亜鉛腐食が起きやすい。
(6)溝状腐食は、電縫鋼管に特有の現象である。
(7)銅管を給湯に使用する場合、流速が速くなるとエロージョン(潰食)を生じやすい。
(8)地中埋設管が基礎鉄筋等と接触していると、管外周に孔食が起きやすい。
(9)水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管のねじ接合には、管端防食継手を用いる。
$2.測定機器
(1)室内気流 ---------- カタ計
(2)配管内静圧の測定 -- ブルドン管圧力計
(3)ダクト内の静圧 ------ マノメータ
(4)ダクト内の風速 ------ ピトー管
$3.試運転調整
●試運転調整では、ポンプ、送風機、ボイラー、冷凍機、空調機の試運転調整などに関する内容を理解し
ておきましょう。
(1)ボイラは、バーナー起動スイッチを入れて、不着火・失火の場合のバーナー停止などの動作
を確認する。
(2)蒸気ボイラーは、低水位遮断機の動作及び水位調整器による自動給水装置の作動を確認す
(3)蒸気ボイラは、低水位燃焼遮断装置用の水位検出器の水位を下げることにより、バーナが停
止することを確認する。{H21}
●自動給水調整装置は、蒸気ボイラーごとに設けなければならない。
●自動給水調整装置を有する蒸気ボイラー(貫流ボイラーを除く。)には、当該ボイラーごとに、起動時に水位が安
全低水面以下である場合及び運転時に水位が安全低水面以下になった場合に、自動的に燃料の供給を遮断する
装置(第四項及び第九十七条第一項において「低水位燃料遮断装置」という。)を設けなければならない。
(4)蒸気ボイラは、火炎監視装置(フレームアイ)と火炎間を遮断することにより、始動時の不着
火、失火の場合に、バーナが停止することを確認する。
{H21}
(5)冷凍機は、冷水ポンプ、冷却水ポンプ、冷却塔などのインターロックを確認し、始動する。
(6)渦巻ポンプの流量調整は、ポンプ吐出し側の調整弁で行う。
(7)ポンプは、メカニカルシールからの漏水量が、ほとんどないことを確認する。
{H21}
(8)ポンプは、軸受温度が周囲空気温度より40℃以上高くなっていないことを確認する。{H21}
(9)遠心送風機は、ダンパーを全閉にし、送風機回転方向を確認後、運転調整を始める。
(10)ファンコイルユニットは、エアー抜きを行い、冷温水ポンプを起動し、変速スイッチによる送風
機の作動を確認する。
(11)電気集塵機は、運転にあたり電源表示灯、荷電表示灯、異常表示灯などの作動を確認する。
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