ブログ アーカイブ

2011年9月17日土曜日

水路

地質条件と品質管理:水路工



(1) 技術的な課題    ( 7行 )

 本工事は、○○調整池建設のための仮土留め壁を地中連続壁工法にて構築する工事であった。地中連続壁はRC造、壁厚1.0m、壁延長200m、掘削深度30mであった。本工事個所の地盤は、N値0の軟弱シルト質粘性土地盤であり、地中連続壁と将来建設予定の本体壁とが衝突しないように設けられた隙間は10cmであった。
 このような軟弱地盤における、地下壁側面に加わる土圧・水圧対策が、本工事の品質管理上の重要な課題であった。



(2) 検討した内容    ( 11行 )

本工事の所要の品質を確保するには、地下壁側圧より地盤支持力が大きい状態を常に維持しておく必要がある。そのため、検討した内容は次の通りであった。
① 鋼板の弾性変形を計測する方法、直接圧力計を鋼板に取着けて圧力を計る方法、鋼板の緊張器の応力を測定する方法など、泥水中の地下壁の側圧を常に測定できる最良の方法について検討した。
② コンクリートの打設速度については、側圧の増大や型枠のはらみを防止する凝結時間を考慮した余裕のある打設計画、打設前養生と適切な養生開始時期を設定する養生計画について検討した
③ コンクリートのロス率、膨み出しの最大値など、品質管理項目について検討した。



(3) 対応処置      ( 7行 )

① 最初のセグメント組立て断面を使用して、泥水中の地下壁の側圧測定を実施した。(平均打設速度5m/hr、最大側圧5tf/m2、最大側圧到達時間50分)
② 打設速度については、コーン試験、コンクリートの凝結時間試験から最大側圧到達時間を推定して、深度ごとに設定した。
③ 連続壁のロス率は8%、連続壁の部分膨み出しの最大値は8cmで許容値が確保でき、工事は無事完了した。



地下水・湧水と品質管理:水路工



(1) 技術的な課題    ( 7行 )

 本工事は、避難広場入口に、地下水位GL-2m、軟弱砂質土の区間に高さl0mの貯水槽を、ケーソン工法で構築する工事であった。 住宅が密集しており地盤の影響を抑えるため設計は、水中掘削を行い、沈め基礎は水中コンクリート、底版は現場打ちコンクリートで施工する計画であった。
 このように、基礎の品質、地下水や湧水等に大きく影響される水中コンクリートの品質管理が、本工事の重要な課題であった。



(2) 検討した内容    ( 11行 )

水中コンクリートの所要の品質を確保するため、検討した内容は、次の通りであった。
① 地下水・湧水が基礎工に及ぼす影響を考慮し、圧縮強度、スランプ、骨材寸法などの生コン規格、配合比を決定する必要があった。
② 地下水・湧水の水脈を遮断する方法、水位を低下させる方法、汚染等の 地下水障害を防止する方法を検討した。
③ 基礎地盤からの水の噴出や漏水を防止し、底版コンクリートの強度が確保でき、打ち込み方法について検討した。
④ 水中におけるコンクリートの養生方法について検討した。



(3) 対応処置      ( 7行 )

① 基礎工に加わる地下水や湧水の水圧と施工性を考慮して、生コンの規格は30-18-20、配合は単位セメント量400kg/m3、水セメント比46%の富配合とし、受入れ検査で、その品質を確認した。
② コンクリートの打込みは、地下水・湧水の水脈を遮断して水位を低下させ、打込み厚さを確認しながら行った。
③ 養生はビニールシートで覆い、脱型後20±3℃の水中養生として、7日間を確保した。

0 件のコメント:

コメントを投稿