ブログ アーカイブ

2011年9月27日火曜日

課題と検討

 ■本工事は、鹿屋市肝属川下流沿いの工業地区への下水道枝管の管路延長工事であった。シラス台地の谷あいに位置し、田園地帯を造成した当地区は、地下水位が高く、近隣工区では一部の区間で圧密に起因する沈下が発生、当該工区においても間隙水の脱水に伴う長期的な圧密沈下、隆起や沈下等の地盤変状などが懸念された。
 このような圧密沈下や地盤変状が予想される条件下での、地盤沈下対策が、品質管理上の重要な課題。
 軟弱な地盤が予想された為、布設管の勾配確保、、側方移動防止また、マンホール周囲の不同沈下対策が課題であった。
 掘削時にはすでに基礎地盤の軟弱化が発生し、構造物を布設する位置では、埋戻による路床部の強度確保が求められていた。

 ■このような、湧水箇所での埋戻の精度確保が、品質管理上の重要な課題。
 住宅と井水を利用している工場があり、工事による水質や騒音振動の影響が懸念された。
 水質や騒音振動への対策が、本工事における仮設工の最も重要な課題。
 また官民境の高低差が2mあり、公道側から民地内への取付管布設、完全な埋め戻しと隙間充填が確実に行われなければ、後々民地や道路陥没の危険性があるため側溝の下に空洞が出来ない埋め戻しの検討が課題であった。

 ■土留めの安全管理が課題  設置場所は急峻で、民家・車庫・池などに接近する区間が大部分であった。
---------------------------------------------------------------------------------------------------
 ■埋戻・盛土による路床部の強度を確保するため検討した内容は、次の通りであった。
① 軟弱化した基礎地盤を改良する方法として、安定処理工法と置換え工法などについて、強度・経済性・環境面から比較検討を行った。
② 擁壁背面の排水を促進する湧水対策工について検討した。
③ 布設間隔の狭い構造物間の埋戻は、埋戻材料や埋戻方法について検討した。
④ 埋め戻し部にさいては、トラフィカビリティを碓保する方法、
 ■湧水対策としてのサンドマット(敷砂層)、地下排水溝や排水管など、排水処理の必要性について検討した。
③鋼矢板の打込みについては、打込む矢板の形状寸法、土質、施工場所の地形、作業環境および矢板の根入長さなどを考慮し打込む方法、打込み設備、使用機械を検討し選定を行った。
鋼矢板打込み工法としては、施工場所の条件であるN値=4(粘性土)、汚濁水の影響や連続振動による影響を及ぼせない環境であったため、油圧式圧入工法の採用を検討した。
 ■軟弱地盤内を厳しい条件下で掘進し、地盤沈下を最低限にとどめるために検討したのは、次の内容である。
① 自然含水比と横方向透水性が高い地盤条件に適合した、掘進工法の採用を検討した。
③ 掘進時における、地上部からの監視体制、土圧や間隙水圧などの管理体制の整備について検討した。
④ 掘削後の沈下量の測定方法と、家屋に及ぼす影響の調査方法について検討した。
 ■布設管の不同沈下防止のため下記の検討を行った。
① 管路の土質の調査、水位の調査をしたところ、地下水位は地盤面より1.5mであることがわかった。
管理項目、規格値、測定基準、床堀、砂基礎、管布設、 中心線測量、水準測量、縦断測量
② 湧水対策として、土留工の検討。
 ■仕様書では土留工は任意仮設となっており、管路に軽量鋼矢板を使用した場合、根入長は200mmとなっていたが、湧水対策としては不十分であると予想された。
 ■マンホール設置工の土留は湧水を防ぐ為に鋼矢板の使用を検討した。
水替工の検討:付近地下水位を調査し、作業開始前にその水位を観測記録し、定期的に観測を行い、監督員に報告した。
④新築のアパートがあり、供用開始を急いだ。
 ■土留工に関する事前調査は監督員の指導に基づき、下記事項について行うこととした。
(1) 表層から掘削底およびそれ以下にいたる土質(2) 地下水位および湧水量
(3) 排水計画に必要な調査(4) 地下埋設物の種類、位置、構造、老朽度
(5) 周辺構造物の種類、位置、構造、老朽度
(6) 道路の交通事情(沿道の車の出入、通過交通量とその種類)
(7) 土留材の保安点検
⑤埋め戻し材の検討:発生土から良質土への変更、荒目砂 基礎部を管上部100mmまでとした。
⑥矢板引抜時の空隙の処理材の検討
 ■環境保全:騒音・振動対策 騒音・振動対策について、次のような検討を行った。
①騒音・振動対策については、対象地域の状況を十分に把握して、低騒音、低振動の施工法の選定、作業時間帯、作業工程の設定、遮音施設の設置なとについて検討した。
②建設重機の稼動が必要な場所は比較的集中し、稼働時間も同じ時間帯に集中する傾向があるため、施工計画の策定にあたり、重機の分散配置、時間帯の負荷平均化について検討した。
③発破や杭打ち作業については、騒音・振動の比較的小さい工法の選定、施工時期や薬品の使用量による低減方法などについて検討した。
 ■掘削工事において地下水を元に戻す方法、コンクリートガラを現場内で再利用する方法について、次の検討を行った。
①掘削工事部分をドライにするため、掘削部分の地下水は、掘削前にあらかじめ汲み上げられる。
酸化・変質による水質の変化が土質へ及ぼす悪影響を避けるため、また地下水を下水へ放流することによる環境負荷を削減するため、汲み上げた層へ地下水を戻す工法について検討した。
②大きなコンクリートガラは、特定資材としてリサイクルが義務づけられているものの、現場内における破砕処理には多大な手間がかかることから、一般的には現場内でのリサイクルはされにくかった。本工事においては、コンクリートガラを現場内で再利用する方法について検討を行った。

①降雨時に土砂が、掘削土置き場から周辺環境水系の地下水、河川、湖沼などに流出しないよう、調整池を設けるとともに、裸地周辺には仮設沈砂池を設置するなど、濁水の流出防止策について検討した。
②地下の坑道内で発生する湧水の排水については、湧水の水質に応じ適切な水処理施設を設置することにより対応が可能である。湧水の水質が良好な場合には場内散水等に直接利用することが可能であり,放出量を低減できるため、その排出方法について検討した。
③地下の坑道内の作業エリアから発生する濁水、酸性やアルカリ性廃液に対しては、適切な水処理施設の設置など、保全措置を検討した。
以上の検討内容から現場での処置を講じた結果、濁水の流出が防止でき、工事を無事完成することができた。

①建設機械の稼働時の騒音・振動を低減するため、複数の建設機械を同時に使用する作業手順を極力少なくし、建設機械の作業を可能な限り周辺住宅から離すような計画を策定した。また、工事現場周辺の立地条件を調査し、全体的に騒音・振動を低減するような方法について検討した。
②工事用車両走行時の騒音・振動を低減するため、法定速度の厳守、過剰な積載をしないことなど、運転者への指導・教育の徹底について検討した。
③周辺住民との良好な関係が維持できるよう、工事概要を事前に周辺住民に説明して、協力を得られるようにすることを検討した。

掘削時に排出した土砂が周辺道路に飛散し、通行車両、歩行者及び作業員が汚れることを防止するため、
車道側に防護シートを設けて

0 件のコメント:

コメントを投稿