①軟弱化した基礎地盤はセメント系固化材により改良を行い、所要の支持力を確保した。
②湧水対策として、擁壁背面沿いにφ150の有孔管を地下排水溝として埋設し、粗目の砕石を巻き立て、排水の促進を図った。
③間隔の狭い構造物間は、砕石で埋戻し、タンパで十分締め固めた。④ 盛土部は、各層の仕上り厚さが20cm程度となるように薄層に敷き均し、振動ローラーで念入りに転圧を行い、堅固な路床部を形成した。
① 自然含水比と透水性の高い条件から、地盤の安定性を考慮し、掘進工法は、泥土圧式シールドを採用した。
② 地盤沈下対策として、路線の両側に、圧入工法による鋼矢板遮断壁を設置した。
③ 対策工法の施工後は、地上部からの監視を行い、切羽土圧や間隙水圧などの管理に細心の注意を払いながら掘進を行った。シールド機通過後30cm程度の後続沈下が生じたが、工事は無事完了した。
①低騒音・低振動型の建設機械を採用して、留意すべき場所や保全を要する施設から遠ざけて重機を配置した。また、必要に応じて遮音壁、緩衝緑地などを配置した。
②発破や杭打ち作業については、周辺の住民や生息動物への影響が最小限となる季節、時間に配慮して作業を行った。
③発破作業にあたっては、周辺住民に事前に周知するとともに薬量を必要最小限にとどめた。また、杭打ち作業においては、騒音や振動の比較的小さいアースオーガー併用工法等を採用して施工した。
■水替工は釜場排水工法を採用した。掘削底面横に溝を掘り、釜場へ集水した後
基礎部は十分に乾燥させた良質な砂を使用し、横木板を設置して管を布設し、管が移動しないように楔材で仮固定して更にクッション用山砂を敷均し、管底側部については、管側部の締固めだけでは、不十分なので、管底側部に基礎材料を盛り付けし管の下端へ十分に砂がまわり込むようにし、空隙が生じないように入念に締固めた。
■また、管の天端から30㎝までは、管に衝撃を与えないよう注意しながら、人力により両側同時に埋め戻し、一層の厚さが20 ㎝を超えない範囲で一層ごとに木蛸により十分に締め固め、沈下が生じないように施工した。
埋戻し後は、防塵処理を行い、復旧までの期間常時埋戻し路面の維持補修に努め、路床仕上面が、均一な支持力が得られるようにし、不同沈下を防ぐようにした。
■土留め引き抜きは、埋戻し一層毎に行い、引き抜かれたあとは、空隙を完全に充填するとともに、十分に突き固めを行い地盤の沈下を防止し、あわせて布設管への影響を防止した。
■土留工に関する施工管理
1.土留工の施工管理は、施工中下記事項について調査点検した。
(1) 土圧および水圧 (2) くい、矢板、支保材等の変形(3) 周辺地盤の変形 (4) 地下埋設物、周辺構造物の変形(5) 横矢板工の背面の地盤 (6) 掘削底における土の状況(7) 湧水あるいは矢板継手等からの漏水 (8) 土留材の保安点検の他
■土留支保工
1.土留支保工は監督員の承諾を得た施工計画図に従って施工。
3.切梁には必要に応じジャッキを使用して、土留背面の土砂の移動を防止した。あわせて地下埋設物および周辺構築物に影響を与えることのないようにすること。
4.土留矢板の場合は必要に応じ、切梁設置前には油圧ジャッキを使用して、設計土圧と同程度プレロードをかけた。
5.くい矢板と復起しとの隙間には、次の掘削にかかる前に、間隙の全面にわたってコンクリートを充填する等、矢板の移動の防止をする措置を行った。
■支保工の撤去
1.切梁の撤去は、切梁面以下の埋戻土が十分つき固められた段階で行った。
2.上段切梁は、埋戻土が外側の土圧に十分耐えられるまで撤去しないようにした。
■鋼 矢 板
1.鋼矢板等の打ち込みは、あらかじめ布掘等を行って、埋設物を十分確認し、安全な位置に速やかに打ち込み、その根入れは十分安全な長さを取った。
2.鋼矢板等の打ち込み、引き抜きに当たっては、周囲の環境を考慮し、騒音、振動の防止について必要な対策を講じた。
3.鋼矢板の打ち込みに際しては、空隙を砂等で完全に充てんした。
4.鋼矢板の引き抜きに際しては、埋設物に影響を与えないように注意し、引き抜き跡は、空げきを砂等で完全に充てんして十分に突き固た。
5.屈折箇所の矢板はコーナー用に加工した矢板を使用し、継手の安全をはかった。
6.打込み中、矢板を破損した場合、または打込み傾斜の著しいときは、監督員と協議のうえ施工すること。
■①可能な限り低騒音型の建設機械をして、騒音・振動を起こさない作業方法を十分に留意した。また、作業時間を厳守した。
②歩行者が多く歩車道の区別のない道路はできる限り避ける運搬ルートの計画とした。往路と復路を別経路にし、舗装道路や幅員の広い道路を選び、急な縦断勾配や急カーブの多い道路は避ける経路にした。
③付近の住民の方と事前に十分話し合い、少しでも快適なまちづくりになる工事であることを説明し、了解を得るように努めた。
■①コンクリート工事に伴い、高アルカリ性の排水や濁水が発生したが、切り回し水路と仮設沈砂池を設置して、工事範囲の排水が直接下流域に流出しないように対処した。
②排水の水質に応じて適切な水処理を施し、モニタリングによって水質を確認した後に放出を行った。
③埋立て工事により発生した濁水の拡散を抑制するため、濁水の発生が少ない工法を検討し、汚濁防止膜、汚濁防止フェンスを設置した。
■①掘削工事では、周囲に止水壁をつくり、取水用の井戸を掘るディープウェルを設置した。汲み上げた地下水は、そのまま完全密閉型の配管設備〈リチャージ・ウェル〉を経由して、汲み上げた層へ戻すことで、酸化・変質による水質の変化が土質へ悪影響を及ぼすこともなく、環境負荷の削減が図られた。
②小さな素材類だけでなく、コンクリートガラなどでも徹底的にリサイクルを図った。発生した約12,000m3のコンクリートガラを現場内ですべて破砕処理し、砕石として仮設道路・スロープ路盤材などに再利用した。この結果、CO2の削減にも寄与し、費用対効果も上がった。
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