環境保全:発生土砂の再利用
(2) 検討した内容 ( 11行 )
本工事の総延床面積は○m2を超えており、そのうち地下部が過半数を占めるという特性があった。一方、現場周辺では環境アセスメントによる制約があり、月間○台という工事車両の通行制限を課せられた。
この条件をクリアするために、掘削土の処理方法について検討した。
①従来の方法であれば、掘削土を場外に搬出した後に、改めて埋戻し土を調達するのが一般的であるが、本現場では約○m3以上の掘削土を現場内にストックする方法を選定し、それを見込んだ工区割りを行うことについて検討した。
②土砂搬出車両を根切り底まで進入できるように車両用スロープを土砂で築き、掘削効率を高めるなどの計画を行い、構台の設置も最小限にとどめる方法についても検討を行った。
(3) 対応処置 ( 7行 )
①掘削土の一時仮置き・転用という工法を採用したことで、埋戻し土の調達が不要になりコスト削減が図れた。また、客土を現場内ストックすることで、ダンプなどによるCO2発生量の飛躍的な削減が図れた。
②掘削土のストックヤードは現場内中央に設け、ブルーシートをかけることで、場外への土砂飛散防止に努めた。
③本工事だけで転用し切れなかった発生土は、近隣の流域で建設されるスーパー堤防や、港湾の埋立て事業などの現場で再利用を図った。
環境保全:郷土種による切土法面工
(2) 検討した内容 ( 11行 )
道路工事等に伴い発生する切土法面について、自然環境を保全するとともに、景観面、防災面に配慮した施工を行うため、植生基材吹付により「出来る限り中低木の郷土種の木本植物による早期樹林化」を目指した樹林化工法の検討を行った。
①導入する樹種の選定にあたっては、次のような基本方針を検討した。草本種は在来種を使用すること。補全種は主構成種を被圧しにくい低木とすること。主構成種は県内の天然生林に生育しているものから選定し植生遷移の考え方を重視すること。
②切土の法肩付近は植生も定着しにくく、ゆるい土砂や風化岩が分布しているため、侵食も受けやすく崩壊しやすい。そこで、法肩の崩壊を極力防止するとともに、景観をよくする目的で地山と法面の不連続線を目立たなくする手法について検討を行った。
(3) 対応処置 ( 7行 )
①法面工については、コンクリート吹付け法枠+植生基材吹付t=10cmを採用し、対象樹種は、ヨモギ、メドハギ、ヤマハギ、コマツナギ、ヤブツバキ、ネズミモチとした。
②法面に凹凸を造ることによって木本植物の発芽・生育環境の改善を図った。また、木本樹種の樹高が低く被圧され雑草の進入しないように、良好な生育状況となることに留意した。
③中低木の早期樹林化については、植物には多様性があり、その成長の早さにも差があるため、植生が立体的に生育できるように配慮した。
④施工植物の被覆度合いを抑え、周辺の在来種が侵入しやすく、周辺環境と調和がとれ多様性のある樹林への遷移が進むように配慮した。
環境保全:多自然河川
(2) 検討した内容 ( 11行 )
治水能力の向上および水域と陸域に多様な自然環境を形成することにより、豊かな自然環境を創出するため、次のような検討を行った。
①空積構造の低水護岸に、植物だけでなく動物の生息・生育に必要な水深および環境を確保するため、水際の多様性をもたせる方法について検討した。また、高水護岸はコンクリートを使用しない多自然型護岸の構造について検討した。
②1:2.0 の緩傾斜となる高水護岸に、階段を設置する工法を検討し、水辺のふれあいを楽しめる護岸になることに配慮した。
③低水護岸に使用する自然石は管内産のものを調達し、高水護岸には低水護岸に類似した自然石を調達して、周辺環境との調和を図った。
④工事完成後の小出水により低々水路が形成され、月日を重ねる毎に瀬や淵の成長が期待できるような工法について検討した。
(3) 対応処置 ( 7行 )
①低水護岸は、自然石(巨石積み:控え60cm)を空積みにて勾配を1:0.5 で据え付け、水辺の生物の生息が可能な水量や空間を確保した。
②高水護岸は、自然石を連結したマットを勾配1:2.0 で据え付け、隙間部に砂利を適宜詰めることで、植生の回復を促進した。
③ダンチク(ヨシタケ)、クレソン(オランダガラシ)、モクズガニやスミウキゴリなど、動植物の多様な生息・生育の場が確保出来る多孔質な構造となるように配慮して施工した。
環境保全:多自然河川
既設護岸はほとんど未改修であり、老朽化した石積みが多く、既存堰の統廃合、河積の拡大及び築堤護岸の改築等の河川改修が進められている。本工事は、河道線形の是正及び河積の拡大を図りながら、適正な河川環境の保全に配慮し多様な環境条件を保全・復元工事である。
(2) 検討した内容 ( 11行 )
多様な河川環境を保全するため、次のような検討を行った。
①左右岸の土堤で使用する表土について、現地発生土を転用し、覆土を施す方法について検討した。また、土堤の法尻において、多孔質な空間を形成し水際の多様性を確保する工法を検討した。
②ヨシ群のある水辺は、魚介類、トンボ類の産卵や幼生の生息の場として重要である。河床に現存するヨシ群を残し、流水部から水際、陸域までの多様な生物の生息環境を形成させる工法について検討した。
③長年の小出水により砂礫堆積地が形成され、ヨシ・ガマ群の繁茂がみられるため、月日を重ねる毎に川が川自身をつくる作用により多様な河川形状を成長させる工法について検討を行った。
(3) 対応処置 ( 7行 )
①左右岸堤は土堤で1:2.0 の勾配とし、表土については、現地発生土を転用し、覆土を施した。また、水衝部にはかごマットを設置し、同じく10 ㎝程度の表土の覆土を施した。
②現況植物の種子を含む表土を覆土として転用し、早く従前の環境に戻るよう配慮した。
③土堤の法尻には、径30cm程度の寄せ石を設置し、多孔質な空間、透水性、通気性等水際の多様性を持たせ、水生昆虫や魚介類の生育・生息の場の創造を図った。
建設副産物:アスファルト塊・コンクリート塊
(2) 検討した内容 ( 11行 )
現地発生材の再生利用について、検討した内容は次の通りである。
①道路工事作業常設帯の内照式カラーコーン電球をインバータ球に変えることによる消費電力の低減について検討した。
②建設現場で発生するアスファルト塊、コンクリート塊の再利用について検討した。また、混合廃棄物削減のため、品目ごとのコンテナをエコステーションとして設置することを検討した。
③道路移築時の埋め戻し材にリサイクル材である流動化処理土の活用などの取組みを行うことを検討した。流動化処理土とは、建設発生土の再生利用を目的として、原料土と水を混和した泥水にセメントや固化材他を添加したものである。
(3) 対応処置 ( 7行 )
①消費電力については、内照式カラーコーン電球では432,000kWh消費するところをインバータ球(9W、実質電力量16W)に変えることにより、172,800kWhとなり、259,200kWh、60%の低減を図ることができた。
②発生したコンクリート塊をクラッシャーで破砕し、構造物周辺の敷均し栃や現場内道路の敷設材として全量を利用した。
③道路構築時の埋戻し材料が、購入土砂であったものを発注者に働きかけて、リサイクル材である流動化処理土を使用した。
建設副産物:建設発生木材
(2) 検討した内容 ( 11行 )
発生木材の再利用について、検討した内容は次の通りである。
①現地で発生した木材を産廃処理することなくチップ化し、現地発生土と混合して法面緑化の基盤材として使用することを検討した。
ダムの掘削に伴って発生した粘土の発生土は、土壌改良材として使用することを検討した。
②残土や仕上げ材を大量に再利用(リユース)し、廃棄物とならないよう分別を徹底して、リサイクル可能なものの再資源化施設への持ち込みについて検討した。
③グリーン調達にも力を入れ、再生コンクリートや再生砂・砕石など大量のリサイクル品を利用し、さらに地下水をリチャージして地下水脈に戻したり、低騒音型建設機械の採用やアイドリングストップなど、環境にやさしい事業活動の徹底について検討した。
(3) 対応処置 ( 7行 )
①他工事で発生した伐採材1,000m3をチップ化し堆肥化させて、2,900m3の法面緑化用育成基盤材をつくり、厚層基材吹付けの緑化基盤材として再利用することができた。
②発泡スチロールは滅容化処理し、一定量たまったら再資源化施設に排出しリサイクルした。
③塩ビ管とフレコンパックは再資源化施設に搬出後、マテリアルリサイクル及びサーマル利用を図った。
建設副産物:建設汚泥
(2) 検討した内容 ( 11行 )
建設汚泥の再利用について、検討した内容は次の通りである。
①リバース工法で橋脚基礎杭造成を行う際に発生する大量の建設汚泥を、良質な土砂と汚泥に区分する、現場作業ヤード内に設けた分級システムについて検討を行った。
②良質土は、土工区間の盛土材や海上橋脚築島の埋立材として利用するとともに、公共機関で組織する「建設副産物対策連絡協議会」等を活用し、有効利用する方法を検討した。
③分別を徹底させるためにエコステーションを設け、分別看板の整備と周知の徹底を図った。また、掘削に伴うズリ処理を、他の工事現場の盛土材として活用する等の工事間利用の促進について検討した。
④工事で発生する廃棄物をゼロにするゼロエミッションに取り組み、大量に発生する脱水ケーキと伐採材を現場内で処理して植生土壌として利用するなど、廃棄物ゼロの実現について検討した。
(3) 対応処置 ( 7行 )
①既設構造物撤去工事のコンクリート塊を、再生砕石として現場内で再利用した。
②水処理施設の基礎に浅層混合処理工、流動化処理工を採用することによって、約11,000m3の建設発生土等の発生抑制と再利用を図った。また、掘削土は現場内利用及び工事間利用を行った。
③銅製型砕やリース材を使用し、材料のブレガントにより、排出材を抑制した。また、再生紙製型枠材や電炉製品・ペットボトル再生品の透水材エコ製品・制服を使用した。
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