仮設工:迂回路
(1) 技術的な課題 ( 7行 )
本工事は、道路冠水対策として、山腹斜面からの雨水をA川へ排水するため、一般国道○号線のR側からL側へ横断させる函渠工(ボックスカルバートW2000×H1000)を設置する工事であった。
当該国道はバス路線であることから通行止めにはできず、農業用水路や埋設NTT光ケーブルを避けて迂回路を設置する必要があった。
このような限られたスペースでの施工順序の計画と、迂回路の設置が、本工事における仮設工の最も重要な課題であった。
(2) 検討した内容 ( 11行 )
迂回路を設置するために検討した内容は、次の通りである。
①現道は8m程度と狭く、農業用水路や埋設NTT光ケーブルがあり矢板工法による仮設ができないため、国道R側の山側に迂回路を設置した切り回し方法を検討した。
②工事を一次施工と二次施工に分け、国道部の掘削、ボックスカルバートの据付、吐口工・取付水路の設置、迂回路の設置撤去など、施工順序について検討した。
③農業用水路や埋設NTT光ケーブルの下部に交差して設置されるボックスカルバートについて、その据付順序を検討した。
④迂回路については、線形計画を行うとともに、構造・工法の検討、安全対策や防塵対策、排水処理について検討を行った。
(3) 対応処置 ( 7行 )
①迂回路は国道R側の山側に設置し、幅員4.0mで鉄板を敷設して、路肩にはガードレールを設置した。国道側には仮設排水路を設置した。
②一次施工として、国道部の掘削、ボックスカルバートの据付、吐口工の施工、A川護岸の復旧を行った。
③二次施工は、吐口工からの上流1車線分を埋戻し舗装を施工して、片側交互交通で切り回した。迂回路は撤去し取付水路を設置した。
このような結果、安全な切り回しができ、工事は無事終了した。
環境保全:騒音・振動対策
(2) 検討した内容 ( 11行 )
騒音・振動対策について、次のような検討を行った。
①騒音・振動対策については、対象地域の状況を十分に把握して、低騒音、低振動の施工法の選定、作業時間帯、作業工程の設定、遮音施設の設置なとについて検討した。
②建設重機の稼動が必要な場所は比較的集中し、稼働時間も同じ時間帯に集中する傾向があるため、施工計画の策定にあたり、重機の分散配置、時間帯の負荷平均化について検討した。
③発破や杭打ち作業については、騒音・振動の比較的小さい工法の選定、施工時期や薬品の使用量による低減方法などについて検討した。
以上の検討結果から、現場では次のような処置を講じた。
(3) 対応処置 ( 7行 )
①低騒音・低振動型の建設機械を採用して、留意すべき場所や保全を要する施設から遠ざけて重機を配置した。また、必要に応じて遮音壁、緩衝緑地などを配置した。
②発破や杭打ち作業については、周辺の住民や生息動物への影響が最小限となる季節、時間に配慮して作業を行った。
③発破作業にあたっては、周辺住民に事前に周知するとともに薬量を必要最小限にとどめた。また、杭打ち作業においては、騒音や振動の比較的小さいアースオーガー併用工法等を採用して施工した。
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